Accuphase T-105 (4号機) が到着
2024年3月20日、大阪市東淀川区の K さんより
Accuphase T-105
の修理依頼品が到着しました。
定価12万円の高級 FM 専用チューナ
です。
この写真はメータ照明を LED 化後です。
と言ってもわかりませんよね。
色合いは同じで、照明ムラがない表示に変わりました。
程度&動作チェック
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修理依頼者のコメント
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中古販売店より、ニッカド電池を電気二重層コンデンサへ交換修理済品を10年以上前に購入しました。
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その後、コンデンサと終段の OP アンプをを自力で交換しています。
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現状、動作的には問題ないように思われます。
再調整とメータの LED 化をお願いします。
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外観
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製造シリアル番号は [D2W107] です。
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フロントパネルの上部エッジにポツポツとした小さいキズが数ヵ所ありますが、そう目立ちません。
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上記以外はすごく綺麗です。
リアパネルの端子に少しくすみがありますが、使用にはそう問題なさそうです。
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電源 ON してチェック
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電源は正常に入り受信動作は正常です。
周波数ズレはなく、メータは正常に振れ、[STEREO] ランプも点灯します。
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蛍光表示器の輝度は新品同様です。
メータ照明ランプの明るさがやや落ちている感じがします。
照明ランプはこの1個だけです。
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現状のオーディオ性能値を測定してみました。
問題なく使用できる性能を保っているようです。
| 項目 |
SELECTIVITY |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
NORMAL |
stereo |
49 |
47 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
NORMAL |
mono |
0.047 |
% |
| stereo |
0.050 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
NORMAL |
stereo |
-71 |
-67 |
dB |
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カバーを開けてチェック
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使用 IC のロット番号より [1981年製造品] と判明しました。
内部は非常に綺麗です。
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電解コンデンサをオーディオクラスに、AF 終段の OP アンプを高価な [MUSES 8820] に交換済みでした。
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内蔵ニッカド電池は [1F/5.5V]+[1F/5.5V] の電気二重層コンデンサに置き換えてありました。
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オリジナル回路図は以下で、[BATTERY] を電気二重層コンデンサに置き換えています。
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2個並列になっているので [2F/5.5V] 相当です。
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単純にニッカド電池を置き換えているだけなので、直列に入っている [R8] 1.3kΩの保護抵抗では大き過ぎです。
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おそらく完全充電に数時間かかると思います。
220~470Ωにするのがお奨めです。
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充電に時間はかかるだけで動作自体は問題ないので、ここはこのままとします。

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左の写真は電気二重層コンデンサの取付状態です。
[チューナ基板] に取り付けられて、[コントロール基板] に配線されています。
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なぜ2個なんだろう?
1個でも十分と思うのですが。
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ホットボンドで固定していますが、ホットボンドはある日突然ボロッと剥がれます。
別の固定方法に変えたほうがよいです。
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右の写真の手前側は [コントロール基板] です。
補修ジャンパ線の盛りソバ状態です。
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やはり、最初載っていたニッカド電池が液漏れして基板が腐食していたのです。
それをジャンパ線で補修したのです。
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ここでもホットボンドが使われています。
前の修理者はホットボンドが好きなのかな?

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T-105 では、内蔵ニッカド電池の液漏れ事故が非常に多いです。
根本的には設計不良と思います。
リペア (その1):メータ照明ランプを LED 化 ・・・ 修理依頼者の要求
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メータ照明回路変更
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左はオリジナルの回路で、これを右の回路に変更します。
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照明ムラをなくすため、電球色の高輝度テープ LED を使います。
LED ×18個に相当
します。

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[フィラメント電球]→[テープ LED] 交換作業
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左の写真は [フィラメント電球] の取付状態です。
右の写真はランプ取付板を取り外した状態です。
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ここまで分解するのが大仕事です。
フロントパネルをほぼ分解する必要があります。
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[フィラメント電球]×1個と反射板を使っていますが、どうしても中心より端に行くほど明るさが減ります。

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左の写真は [テープ LED] に交換後です。
右の写真は [テープ LED] 部分の拡大です。
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LED×18個分に相当する [テープ LED] を使って均一な照明にする作戦です。
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[テープ LED] の裏側は粘着テープになっているので、このまま貼り付けもできますが・・・
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ランプ取付板には既に [フィラメント電球] の穴が開いており、この穴を埋める目的で 85×18mm ボール紙を製作しました。
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ボール紙を超強力両面テープでランプ取付板に貼り付け、そこに [テープ LED] を貼り付けました。
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[テープ LED] にすると反射板は不要になるので、取り去りました。

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左の写真のように、[テープ LED] からの電線を 1kΩ の抵抗を直列にして [C61] の両端に接続しました。
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右側に見える黄色のテープはポリイミドテープです。
経年変化しない260℃耐熱テープです。
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右の写真は LED 化完了後です。
明るさは周波数表示と合わせました。
端から端まで明るさムラのない素敵な照明になりました。

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不要になった部品の記録
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右の写真は不要になった [フィラメント電球] [反射板] [反射板の取付ネジ] です。
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消費電力が減少
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[フィラメント電球] の時は 8V×0.3A=2.4W 電力消費していました。
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LED 化後は 30V×20mA=0.6W の電力消費です。
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LED 化後は明るくなったのに
1.8W 省エネ
になりました。
リペア (その2):その他
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電気二重層コンデンサの基板固定の改善
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電気二重層コンデンサはホットボンドで固定されていましたが、外れかかっていました。
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超強力アクリルフォーム両面テープで固定し直しました。
こちらのほうがシッカリ固定できます。
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フロントエンドカバーに白いサビが出ている
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ティッシュペーパーで擦ったところ、綺麗なメッキ面が現れました。
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またサビないよう、
PC ボードプロテクタ
で保護膜を形成しました。
プリント基板のサビ防止剤ですが、サビ止めにも使えます。
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もう素手で触ってもサビることはありません。
ピカッと光ったままです。
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修理依頼者自らが交換した電解コンデンサのリードが短く切り取られ過ぎ
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短くし過ぎるとハンダクラックに弱くなります。
ハンダ面から 2mm は残したほうがよいです。
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修理依頼者は部品交換できるスキルのあるかたですから、ハンダクラック発生時は自分で対処できるでしょう。
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よって、これは対策していません。
というか短くされたものを長くすることはできないので。
今のところは正常です。
再調整
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電圧チェック (VP)
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以下のように正常でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
備考 |
| [78M05] OUT |
+5.6V |
+5.75V |
〇 |
MCU 用 |
| [78M15] OUT |
+15V |
+15.1V |
〇 |
チューナ用 |
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FM 受信部の再調整
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調整結果
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大きく調整ズレしている箇所はありませんでした。
それでも再調整で以下のような良好な性能になりました。
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S メータを校正して dBf で割と正しく電波強度を表示できるようになりました。
| 項目 |
SELECTIVITY |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
NORMAL |
stereo |
62 |
61 |
dB |
| NARROW |
25 |
25 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
NORMAL |
mono |
0.046 |
% |
| stereo |
0.048 |
% |
| NARROW |
mono |
0.061 |
% |
| stereo |
0.15 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
NORMAL |
stereo |
-75 |
-77 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
NORMAL |
mono |
0 |
+0.08 |
dB |
使ってみました
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デザイン
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デザインが良く気品がある
Accuphase デザイン
です。
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フロントパネルはシャンパンゴールドで、とても厚みがあります。
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チューニングノブの動きに高級感があり、ボタンの操作感も良いです。
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再調整でメータの振れが大きく変わっています
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S メータは、到着時はバブル的な振れ過ぎでした。
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再調整でメータの数値と電波の強さ dBf がほぼ合うようになりました。
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正しい電波強度を表示する優秀な S メータです。
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D メータは、到着時は過少でした。
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再調整後はメータの数値と変調度 % がほぼ合うようになりました。
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実際に使ってみると、民放では 100% を超えることが多いです。
過変調されているのですね。
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性能・音質は優秀
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感度、音質、ステレオセパレーションは優秀で安定感があります。
やはり高級機ですね。
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再調整で高調波歪率とステレオセパレーションが改善したので、音の分離度が良くなりました。
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デザイン・性能・音質に全てに満足できる
超優秀機
です。