Accuphase T-106

Accuphase T-106 が到着

2024年1月1日、さいたま市の Y さんより Accuphase T-106 の修理依頼品が到着しました。 Accuphase チューナで AM 付きはこの機種だけです。

定価16万円 の高級 FM/AM チューナです。

FM は DGL 検波 で、 AM は複雑だが混信に強い 同期検波 です。



程度&動作チェック

  1. 修理依頼者のコメント

  2. 外観

  3. 電源 ON してチェック

  4. カバーを開けてチェック



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは非常に良いです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. FM フロントエンド

  3. FM IF 部

  4. FM 検波部

  5. FM MPX 部

  6. AM 受信部

  7. プリセットメモリのバックアップ



リペア (その1):[MULTIPATH メータ] の振れが過大

  1. 調査

  2. 修理

  3. 動作確認



リペア (その2):ボタン電池のソケット化 ・・・ 修理依頼者の要求

  1. 乗り越えるべき試練

  2. ソケット化方針を決めた

  3. ソケット化作業

  4. 部品交換リスト

  5. [CR2032] コインバッテリ交換方法



リペア (その3):照明の LED 化 ・・・ 修理依頼者の要求

  1. フィラメントランプが使われている箇所

  2. LED 化の回路

  3. 従来のフィラメントランプによる照明

  4. あらら、[スイッチ基板] が割れている!!!

  5. LED 化作業



リペア (その4):ハンダクラック予防対策

  1. T-106 においてハンダクラックしやすい箇所

  2. ハンダクラックの予防対策をしました



リペア (その5):その他

  1. AM 受信時、[SIDEBAND SELECTOR] スイッチで選択する USB/LSB の音が違う

  2. FM 帯域の中央辺りでの S メータの振れが小さい気がする ・・・ 修理依頼者より

  3. ノブやスイッチの周りにゴミが付着している



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント

    FM/AM 種別 調整ポイント 備考
    FM VR VR1 NARROW GAIN
    VR2 S メータ (MAX)
    VR3 S メータ (MIN)
    VR4 VCO (76kHz)
    VR5 PILOT CANCEL
    VR6 SEPARATION
    VR7 SIGNAL MUTE
    VR8 TUNE MUTE
    VR9 MOD メータ
    IFT T1 1st IF (10.7MHz)
    T2 2nd IF (2.4MHz)
    L T3 PILOT CANCEL
    AM L T201
    T202
    RF トラッキング
    TC VC3
    VC2
    L T205 OSC トラッキング
    TC VC1
    IFT T203 IF (450kHz)
    L T204 同期検波キャリアトラッキング (450kHz)
    TC VC4
    VR VR201 S メータ
    VR202 同期検波キャリア同調点

  2. 電圧チェックポイント (VP)

    基板 VP 標準値 実測値 備考
    コントロール基板 +15V +15V +14.9V コントロール基板上に VP が
    シルク印刷されている
    -15V -15V -15.1V
    +5V +5V +4.93V
    +5.6V +5.6V +5.69V

  3. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 T-106 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - AM/FM : FM
    MUTING : OFF
    FILTER: OFF
    SELECTIVITY : NORMAL
    - -  
    2 - 76MHz 受信 フロントエンド
    OSC コイル
    フロントエンド
    右端端子電圧 = 3.0V
    OSC トラッキング調整
    3 - 90MHz 受信 フロントエンド
    OSC トリマ
    フロントエンド
    右端端子電圧 = 20.0V
    4 手順2〜3を数回繰り返す
    5 83MHz 30dB
    無変調
    83MHz 受信 フロントエンド
    RF トリマ×4
    OSC Buffer トリマ
    S メータ = 最大 RF トラッキング調整
    6 83MHz 30dB
    無変調
    フロントエンド
    IFT
    IF 調整
    7 83MHz 50dB
    無変調
    - S メータ = 記録 NARROW GAIN 調整
    8 83MHz 受信
    SELECTIVITY : NARROW
    VR1 S メータ = 手順7と同一
    9 83MHz 90dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信
    SELECTIVITY : NORMAL
    VR8 VR8 を左右に回して
    MUTING OFF する範囲
    の中間に設定する
    TUNE MUTE 調整
    10 83MHz 90dB
    stereo 1kHz L+R
    VR4 VR4 を左右に回して
    STEREO ランプが点灯する範囲
    の中間に設定する
    VCO 調整
    11 VR5
    T3
    オーディオ出力 = 19kHz 成分最小 パイロットキャンセル調整
    12 フロントエンド
    IFT
    オーディオ出力 = 高調波歪最小 IF 歪調整 (stereo)
    T1
    T2
    13 83MHz 90dB
    stereo 1kHz R/L
    VR6 L/R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 セパレーション調整
    14 83MHz 20dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信
    MUTING : ON
    VR7 MUTING = ON/OFF 閾 SIGNAL MUT 調整
    15 83MHz 29dB
    無変調
    VR3 S メータ = 40dBf S メータ調整
    75Ωの場合、dBf≒dBuV+11
    16 83MHz 89dB
    無変調
    VR2 S メータ = 100dBf
    17 手順15〜16を数回繰り返す
    18 83MHz 90dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信 VR9 MOD メータ = 100% MOD メータ調整

  4. AM 受信部の調整

    手順 SSG出力 T-106 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - AM/FM : AM - -  
    2 - 522kHz 受信 T205 J3 電圧 = 1.5V OSC トラッキング調整
    3 - 1629kHz 受信 VC1 J3 電圧 = 21.5V
    4 手順2〜3を数回繰り返す
    5 603kHz 30dB
    無変調
    603kHz 受信 T201
    T202
    S メータ = 最大 RF トラッキング調整
    6 1404kHz 30dB
    無変調
    1404kHz 受信 VC3
    VC2
    7 手順5〜6を数回繰り返す
    8 999kHz 30dB
    無変調
    999kHz 受信 T203 S メータ = 最大 IF 調整
    9 603kHz 30dB
    無変調
    603kHz 受信 T204 S メータ = 最大 同期検波
    OSC トラッキング調整
    10 1404kHz 30dB
    無変調
    1404kHz 受信 VC4
    11 手順9〜10を数回繰り返す
    12 999kHz 60dB
    1kHz
    999kHz 受信 VR202 USB と LSB の
    オーディオ出力レベルを
    同一にする
    同期検波
    キャリア同調点調整
    13 999kHz 60dB
    無変調
    999kHz 受信 VR201 S メータ = 60 S メータ調整

  5. 調整結果



使ってみました

  1. デザイン

  2. リアパネルの端子

  3. 感度や音質



仕様など

  1. ドキュメント

  2. 仕様



  3. 発売時情報

    発売時期 1984年1月
    定価 (税抜) 160,000円