Accuphase T-107 (4号機) が到着
2024年3月26日、静岡県浜松市の I さんより
Accuphase T-107
の修理依頼品が到着しました。
DGL 検波
が特長の FM 専用チューナです。
程度&動作チェック
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修理依頼者のコメント
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故障がなければ調整のみでお願いします。
時報が歪みっぽいのが気になります。
調整完了後、音質のチェックをお願いします。
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自分なりにパーツをチョイスして交換しましたが、やり過ぎたかもしれません。
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大方のコンデンサ他は交換済みです。
(高分子コンデンサ、電解コンデンサ、SIC ダイオード、電池)
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高分子コンデンサはエージング出来ていると思います。
(最初はひどい音でした。)
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外観
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製造シリアル番号は [D6X171] で、電源コードの製造マーキングより [1985年製造品] とわかりました。
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天板に少し汚れがあり、[STATION] (プリセット) ボタン全てにサビが出ていますが、全体的には綺麗です。
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リアパネルの RCA 端子には薄いサビが出ていますが、使用には問題ないと思います。
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電源 ON してチェック
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電源は正常に入り、蛍光表示器の輝度は新品同様です。
ランプ切れはありません。
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受信動作は正常で、周波数ズレはなく、メータは正常に振れ、[STEREO] ランプも点灯します。
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AUTO チューニングは正常に正しい周波数でストップして良好です。
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プリセット操作してみましたが、良好にプリセットできました。
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以上のように動作は良好なので、基本的には再調整だけで性能が蘇ると思います。
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なお、修理依頼者は「時報が歪っぽい」と言われていますが確認できませんでした。
時報も綺麗な音です。
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到着時の現状のオーディオ性能値を計測してみました。
問題なく使えるレベルでした。
| 項目 |
SELECTIVITY |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
NORMAL |
stereo |
39 |
38 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
NORMAL |
mono |
0.033 |
% |
| stereo |
0.055 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
NORMAL |
stereo |
-78 |
-78 |
dB |
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カバーを開けてチェック
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基板の電解コンデンサ等が高分子アルミ固体コンデンサ、整流ダイオードを SIC ダイオード、などに交換されています。
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基板面から見ると綺麗に交換されていますように思います。
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昔、アルミ固体コンデンサの容量抜けに悩まされましたが、今は良くなっているのかしら?
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当方では、電源回路の電解コンデンサは 105℃ クラスに、オーディオ回路は FG や MUSE などのオーディオクラスにしています。
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実は電解コンデンサ交換というのは、結構リスキーです。
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音が変わるのは間違いないのですが、良くなるか悪くなるかは五分五分です。
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メーカでは音質合わせの1つとして電解コンデンサの種類を選んでいるのだと思います。
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ショットキーバリアダイオードはそれなりに効果がありそうです。
リペア (オマケ)
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今回は再調整だけの依頼だったのですが、フロントエンドカバーにサビが乗っていて汚らしいのでメンテンスしました。
オマケです。
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フロントエンドカバーを磨いてピカピカにしました。
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仕上げに
PC ボードプロテクタ
を使ってコーティングし防サビ処置しました。
もう素手で触ってもサビることはありません。
再調整
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電圧チェック (VP)
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実測値は以下のように良好でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
備考 |
| [78M05] OUT |
+5.6V |
+5.64V |
〇 |
デジタル系 |
| [78M15] OUT |
+15V |
+15.1V |
〇 |
アナログ系 |
| Q101-E |
+24V |
(未測定) |
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VT 電源 |
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FM 受信部の調整
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調整結果
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フロントエンドでややトラッキングズレがありました。
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ステレオセパレーションは 18dB (8倍) 改善して音の解像度が上がりました。
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再調整後のデータは以下です。
高級機らしい優秀な性能です。
| 項目 |
SELECTIVITY |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
NORMAL |
stereo |
66 |
66 |
dB |
| NARROW |
20 |
20 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
NORMAL |
mono |
0.029 |
% |
| stereo |
0.045 |
% |
| NARROW |
mono |
0.31 |
% |
| stereo |
0.31 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
NORMAL |
stereo |
-80 |
-80 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 |
NORMAL |
mono |
0 |
+0.10 |
dB |
使ってみました
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再調整が終わって
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状態は良かったので、再調整はスンナリできました。
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修理依頼者のいう「時報が歪っぽい」は確認できませんでした。
おそらく、マルチパス妨害の影響の気がします。
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修理依頼者宅のアンテナ周りに問題がないか調べると何かわかるかもしれません。
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幸い、T-107 にはマルチパス表示機能があり、メータの黄色の範囲に入っているなら問題ありません。
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マルチパスが黄色の範囲を超えて放送音と同期してユラユラ動くようなら、マルチパス妨害が酷いです。
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デザイン
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デザインが秀逸で、特に正面から見た時の豪華さに惚れ惚れします。
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フロントパネルはヘアラインの眩しいシャンパンゴールドで上品です。
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フロントパネルのアルミ厚がかなりあり質感があります。
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サイド飾りも写真のように分厚いアルミ材で、デザインを引き締めています。
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FL 表示管は緑がかった青表示で、少し怪しい感じさえします。
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メータだけに照明があり、全体のデザイン上、非常に良い方向に作用しています。
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音質
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本機は修理依頼者のほうで電解コンデンサを高分子アルミ固体コンデンサに交換されています。
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いつもの聴きなれた T-107 の音に比べると音が尖っている感じがあります。
これが高分子アルミ固体コンデンサの音でしょうか。
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この音が修理依頼者の好みなのでしょう。
オーディオ性能測定結果には問題はなく良好です。
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感度
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感度が良く、微弱電波でもそれなりにシッカリ受信します。
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パルスカウント検波の弱点である [微弱電波では歪率が急激に悪化する] 現象を感じません。