HA1457 リプレース基板
プロローグ
HA1457
は TRIO/KENWOOD チューナやアンプなどに使われています。
ところが、HA1457 は半世紀前の代物で、現在では製造中止となっており簡単には入手できません。 何とか在庫のある半導体商社を見つけても1個2千円とか、とても手が出ません。
でも、当方に修理依頼されるチューナには HA1457 が実装されていて、それが故障していることが多いです。
故障している HA1457 についてはその都度手作りで現代の IC に置き換えて修理していましたが、多大な手間がかかります。
そこで、HA1457 を現代の IC で置き換えるミニ基板を製作しました。
リプレース基板の提供について
<お知らせ> 2024年10月1日より郵便料金が値上げされたので、その分を値上げしました
リプレース基板は送料込みで
1枚540円
です。
基板に組み込む部品の添付はなく、基板だけの提供なのでご注意ください。
プリント基板をご希望の方は ・・・
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リプレース基板について
61×94mm (厚み 1.2mm) の基板です
V cut ラインを入れてあり、少し力を込めるとラインに沿ってバラバラになります。
1枚の基板で、[HA1457 リプレース基板]×18枚が取れます。
1枚あたり30円以下です。
スルーホールはハンダ上げしてあるので、ハンダ付けが容易です。
[HA1457 リプレース基板] の製作
右の写真は部品を実装して完成した [HA1457 リプレース基板] です。
HA1457 には 2pin が無いので写真のようにピンを切り取ります。
左の回路は [HA1457 リプレース基板] の回路図です。
NJM4580DD
は2回路入り、
HA1457
は1回路なので、NJM4580DD の1回路を殺す必要があります。
殺す側の 5pin は10kΩ×2本で +B〜-B の中間電位としています。
こうしないと NJM4580DD が壊れるのです。
抵抗には同じ値のものを2本使います。 4.7kΩ〜22kΩの範囲なら何でもよいです。
部品リスト
プリント基板に実装する標準的な部品一覧です。
No.
秋月電子通商
販売コード
部品名
数量
税込
参考単価
備考
1
100069
NJM4580DD
1
60円
pin 配列が同じなら別の OP アンプも使用可能
2
116103
10kΩ (1/6W)
1
100円
100本での値段
3
106361
L型細ピンヘッダ 8P
1
10円
細ピン型が必須
使用での注意とヒント
NJM4580DD も含めて一般的な OP アンプは最大電源電圧は ±18V (または単電源の場合 +36V) です
置き換える回路の電圧がこの範囲内であればこのまま使えます。
過去に置き換えた TRIO/KENWOOD チューナはこの範囲でした。
この電源電圧範囲でそれほど性能を求めなければ、安価な
NJM4558
も使えます。
もっと高い電源電圧で使いたい場合
OP アンプを
NJM2043
や
NJM5532
にすると最大電源電圧 ±22V の回路にも使えるようになります。
基板を絶縁したい場合
太い熱収縮チューブを被せればよいです。
実装スペースに余裕がなくて基板に入らない場合の解決案
細ピンソケットを使う
上側に余裕がある場合は
細ピンソケット
を併用することで解決するかもしれません。
基板裏側に取り付け
この場合、
ストレート型細ピンヘッダ
のほうがよいかもしれません。
ピンヘッダではなく少し長めの電線で接続
この場合、熱収縮チューブで絶縁したほうがよいと思います。
エピローグ
意図通り、良好に動作しました。 これで HA1457 置き換えで [苦労] → [楽しく] なります。