基板 |
部品番号 |
交換前 |
交換後 |
TUNER |
C33 |
47uF/35V (85℃) |
47uF/35V (105℃) |
C35 |
0.47uF/50V (BP) |
0.47uF/50V (積セラ) |
C36 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (105℃) |
C38 |
100uF/25V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C39 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (105℃) |
C40 |
4.7uF/35V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C41 |
4.7uF/35V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C42 |
100uF/25V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C43 |
100uF/25V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C44 |
100uF/25V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C45 |
2200uF/35V (85℃) |
2200uF/35V (105℃) |
C46 |
2200uF/35V (85℃) |
2200uF/35V (105℃) |
C53 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (105℃) |
C54 |
330uF/50V (85℃) |
330uF/63V (105℃) |
C55 |
47uF/35V (85℃) |
47uF/35V (105℃) |
C56 |
47uF/35V (85℃) |
47uF/35V (105℃) |
C57 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (105℃) |
C59 |
100uF/10V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C63 |
18mF/5.5V (電二重) |
1F/5.5V (電二重) |
C69 |
4.7uF/35V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C92 |
4.7uF/35V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C93 |
0.47uF/50V (85℃) |
0.47uF/50V (積セラ) |
C94 |
0.47uF/50V (85℃) |
0.47uF/50V (積セラ) |
C95 |
2.2uF/50V (85℃) |
2.2uF/50V (105℃) |
C96 |
0.47uF/50V (85℃) |
0.47uF/50V (積セラ) |
C97 |
330uF/6.3V (85℃) |
330uF/16V (105℃) |
C98 |
2.2uF/50V (85℃) |
2.2uF/50V (105℃) |
C102 |
0.22uF/50V (85℃) |
0.22uF/50V (積セラ) |
C103 |
0.22uF/50V (85℃) |
0.22uF/50V (積セラ) |
C105 |
100uF/10V (BP) |
100uF/25V (MUSE/BP) |
C106 |
4.7uF/16V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C112 |
330uF/50V (85℃) |
330uF/63V (105℃) |
C121 |
470uF/10V (85℃) |
470uF/16V (105℃) |
基板 |
部品番号 |
交換前 |
交換後 |
TUNER |
C123 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (105℃) |
C126 |
0.47uF/50V (85℃) |
0.47uF/50V (積セラ) |
C127 |
0.22uF/50V (85℃) |
0.22uF/50V (積セラ) |
C128 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (FG) |
C135 |
100uF/10V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C136 |
100uF/10V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C141 |
10uF/25V (BP) |
10uF/25V (MUSE/BP) |
C142 |
10uF/25V (BP) |
10uF/25V (MUSE/BP) |
C147 |
47uF/10V (BP) |
47uF/50V (MUSE/BP) |
C148 |
47uF/10V (BP) |
47uF/50V (MUSE/BP) |
C149 |
100uF/16V (85℃) |
100uF/25V (FG) |
C153 |
10uF/35V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C157 |
3.3uF/50V (BP) |
3.3uF/50V (MUSE/BP) |
C160 |
2.2uF/50V (85℃) |
2.2uF/50V (105℃) |
C162 |
4.7uF/35V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C172 |
2.2uF/50V (85℃) |
2.2uF/50V (105℃) |
C181 |
2.2uF/50V (85℃) |
2.2uF/50V (105℃) |
DET |
C19 |
470uF/6.3V (85℃) |
(未交換) |
C35 |
1uF/50V (85℃) |
DCC |
C42 |
47uF/10V (BP) |
(未交換) |
C44 |
47uF/10V (BP) |
C47 |
47uF/10V (BP) |
C54 |
47uF/16V (85℃) |
C55 |
47uF/16V (85℃) |
METER |
C11 |
2.2uF/50V (85℃) |
2.2uF/50V (105℃) |
C12 |
47uF/25V (85℃) |
47uF/35V (105℃) |
C14 |
10uF/25V (BP) |
10uF/25V (MUSE/BP) |
C15 |
2.2uF/50V (85℃) |
2.2uF/50V (105℃) |
C16 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (105℃) |
C17 |
2.2uF/50V (85℃) |
2.2uF/50V (105℃) |
FRONT PANEL |
C6 |
100uF/6.3V (85℃) |
(未交換) |
C7 |
100uF/6.3V (85℃) |
C8 |
4.7uF/25V (85℃) |
交換実施
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写真は電解コンデンサ交換後の一部分です。
緑色の部品はオーディオクラス電解コンデンサです。
-
写真には写っていませんが、金色の部品もオーディオクラス電解コンデンサです。
-
積層セラミックコンデンサにした部分はスッキリしました。
米粒ほどの大きさの水色の部品です。
-
積層セラミックコンデンサは経年変化しないので、今後交換の必要はないです。

-
写真はこれまで基板に実装されていた古い電解コンデンサです。

交換後の動作確認
-
まず、S/N が一段上がり非常に綺麗なクリアな音になりました。
-
FL ディスプレイの輝度が少し上がり、今まで見えなかった [DIRECT] [NARROW] 表示も薄っすらと見えるようになりました。
-
電源部の電解コンデンサのどれかが劣化していたようです。
-
なんと! [REC CAL テスト音に雑音が乗る] 現象が直ってしまいました!!!
-
電源部の電解コンデンサ交換後に直ったことより、電源部からのノイズが REC CAL 回路に乗っていたようです。
-
REC CAL 回路は電源回路のすぐ右にあります。
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直ってしまったので、何が悪かったかのか追及できなくなりましたが、これでヨシ!とします。
リペア (その5):ハンダクラック予防補修
-
ハンダクラックしやすい箇所
-
左の写真はリアパネルにある RCA 端子の裏側です。
端子のリードが基板に直接ハンダ付けされています。
-
ここはリアパネルと基板の2方向から常にストレスがかかるのでハンダクラックしやすいです。
-
右の写真は銅製放熱器に取り付けられた [パワートランジスタ] [電源 IC] です。
-
ここは銅製放熱器と基板の2方向から常にストレスがかかるのでハンダクラックしやすいです。

-
予防補修
-
まだハンダクラックには至ってはいませんでしたが、ハンダクラック気味になっていました。
-
劣化している古いハンダを吸い取り、新しく補修ハンダ付けしました。
リペア (その6):その他
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フロントパネルのあちこちに丸いマイタックラベルが貼り付けられている
-
ラベルを剥がしてから無水アルコールを部分的に使ってラベル跡を除去しました。
-
フロントパネルにポツポツとあったサビを除去しました。
フロントパネル全体を OA クリーナで清掃しました。
-
フロントパネルに線キズなどがある
-
ポツポツした程度だったので、黒のマジックペンで補修塗りして目立たなくなりました。
-
[TUNING] ノブの動きが重い
-
原因はノブ軸のグリスの硬化です。
軸に少量の無水アルコールを流し込んで硬化したグリスを溶かして直りました。
再調整
-
電圧チェック (VP)
-
実測値は以下のように良好でした。
VP |
標準電圧 |
実測電圧 |
判定 |
備考 |
J35 (Q26-E) |
+15V |
+15.0V |
〇 |
アナログ系 |
J40 (Q27-E) |
-15V |
-15.1V |
〇 |
J38 (IC11-OUT) |
+5.6V |
+5.63V |
〇 |
デジタル系 |
J31 (Q28-E) |
+18V |
+17.9V |
〇 |
FL |
J27 (Q32-E) |
+32V |
+32.2V |
〇 |
VT 電源 |
-
FM 受信部の調整
-
再調整結果
-
同調点調整がややズレていましたが、再調整で規定内に入りました。
-
FM フロントエンドのトッラキング調整が大きくズレていましたが、再調整で感度が大きく上がりました。
-
PLL 検波が大きく調整ズレしていましたが、再調整で規定内に入りました。
-
MPX VCO 調整でややズレがありましたが、再調整で規定内に入りました。
-
IF 歪補正の再調整で高調波歪率が以下のような素晴らしい数値になりました。
-
ステレオセパレーションは再調整で以下のような超優秀値になって、音の解像度が上がりました。
項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
66 |
66 |
dB |
NARROW |
59 |
56 |
dB |
高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.012 |
% |
stereo |
0.012 |
% |
NARROW |
mono |
0.027 |
% |
stereo |
0.027 |
% |
パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-80 |
-81 |
dB |
オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0 |
-0.01 |
dB |
REC CAL |
WIDE |
mono |
421.9 |
Hz |
-6.1 |
dB |
使ってみました
-
修理&再調整が終わって
-
記事ではサラッと修理ができたように書いていますが、実は難航しました。
DC アンプ構成になっているので、要因追究が難しいのです。
-
修理と再調整により感度が大幅に上がり、そして聴き違えるほど高音質に復活しました。
これが本来の D-3300T の実力です。
-
今回も [ANTENNA] スイッチが劣化していました。
設計不良と思われ、自動車だったらリコールものだと思います。
-
デザイン
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フロントパネルが分厚いヘアラインアルミ材、チューニングツマミやボタンもアルミ材、天板は分厚い鉄板と、質感良好です。
-
[MODULATION] 表示はピークホールド付きで見易く、見ていて面白いです。
-
プリセットメモリは16局分あります。
これだけあれば、まず十分です。
-
[QUIETING CONTROL] ボリュームがあります。
-
通常は [NORMAL] 端で使います。
-
[DISTANCE] 端にするとモノラルになってしまうので注意です。
-
ステレオ受信して雑音が多い場合に操作すると、ハイブレンドされて S/N が改善されます。
-
[RF SELECTOR] は [DISTANCE] で使うのが正解です。
-
[DISTANCE] のほうが S/N が上がります。
-
[DIRECT] は放送局の真下とか電波が強過ぎる場合に選択します。
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[DIRECT] はフロントエンドの高周波増幅段をバイパスして感度を落として強過ぎる電波に対応するモードなのです。
-
[DIRECT] にしたら音が良くなるということはありません。
この辺りを誤解している人が多いです。
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このケースの方はほぼいないと思うので、[DISTANCE] で使うのが正解なのです。
-
感度と音質
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聴き惚れるほど素晴らしい音です。
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KENWOOD らしい、解像度の高いカチッとした硬派の音です。
音にキラキラ感があります。
-
S/N が非常に良く暗黒の静寂の中から細かい音が良く出ています。
-
高級機らしい非常に安定した
感度と妨害電波排除能力です。
定価14万円にふさわしい高性能・高音質マシンです。
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