KENWOOD KT-3030 (3号機) が到着
2023年12月2日、京都市伏見区の O さんより
KENWOOD KT-3030
の再調整依頼品が到着しました。
定価12万円の高級 FM 専用チューナ
です。
程度&動作チェック
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再調整依頼者のコメント
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先日ヤフオクで KENWOOD のチューナ KT-3030 を落札しました。
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現状動作問題なさそうですが、末永く使用したいため、調整をお願いします。
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あと、表示が部分的に薄いです。
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外観
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製造シリアル番号は [51K10093] で、電源コードの製造マーキングより [1984年製造品] とわかりました。
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天板の後ろ側にこの上に乗っていた機器の四角い足形が薄っすらと見えますが、他は綺麗な逸品です。
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電源 ON して動作チェック
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電源は問題なく入り、各ボタンやノブ操作の反応は問題なさそうです。
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FL 表示で所々で薄い箇所がありますが、まだまだ使えそうです。
表示自体は正常です。
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オートチューングで正しい周波数で止まります。
周波数ズレはなさそうです。
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[RF SELECTOR] の状態により以下の状況が確認できたので、感度落ちしていそうです。
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[DISTANCE] では STEREO 受信できますが、S メータの振れは少ないです。
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[DIRECT] では S メータの振れは1~2ドット程度で、[MUTING 解除できない] [STEREO 受信できない] ことがあります。
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[STEREO] ランプが点灯してもステレオ感が弱い気がします。
音自体は KENWOOD らしい良い音です。
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上記の確認結果より、
再調整だけで性能が蘇るような気がします。
まずは到着時の性能を軽く計測してみました。
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S メータを信じると、[RF SELECTOR] の状態により以下の結果でした。
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[DISTANCE] では 80dB の電波を入れないとフルになりません。
ここは 70dB でフルが正しいです。
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[DIRECT] では 100dB でフルでした。
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以上より、やはり感度が落ちています。
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オーディオ性能は以下でした。
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やはり [ステレオセパレーション] がかなり悪くなっています。
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[高調波歪率] [パイロット信号キャリアリーク] はそう問題ないです。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
Super Wide |
stereo |
33 |
33 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
Super Wide |
mono |
0.052 |
% |
| stereo |
0.054 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
Super Wide |
stereo |
-55 |
-56 |
dB |
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カバーを開けてチェック
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使用 IC のロット番号よりも本機は [1984年製造品] とわかりました。
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内部基板は綺麗で、目視では特に不具合部品はないように見えます。
再調整
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電源電圧チェッック (VP)
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実測値は以下のように正常でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
備考 |
| チューナ基板 CN1-1pin |
-12V |
-12.1V |
〇 |
OP アンプ |
| チューナ基板 CN1-2pin |
+12V |
+12.0V |
〇 |
チューナ全般 |
| チューナ基板 CN1-3pin |
+15V |
+15.6V |
〇 |
MPX |
| チューナ基板 CN1-5pin |
+5.6V |
+5.66V |
〇 |
MCU |
| チューナ基板 CN1-7pin |
+54V |
+56.1V |
〇 |
VT 回路 (+B) |
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FM 受信部の調整
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調整結果
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以下のように、到着時より劇的に性能が上がりました。
素晴らしい数値です。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
Super Wide |
stereo |
70 |
70 |
dB |
| Wide |
62 |
65 |
dB |
| Narrow |
58 |
59 |
dB |
| Super Narrow |
56 |
56 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
Super Wide |
mono |
0.0025 |
% |
| stereo |
0.0077 |
% |
| Wide |
mono |
0.0070 |
% |
| stereo |
0.0085 |
% |
| Narrow |
mono |
0.010 |
% |
| stereo |
0.045 |
% |
| Super Narrow |
mono |
0.014 |
% |
| stereo |
0.092 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
Super Wide |
stereo |
-69 |
-71 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 |
Super Wide |
mono |
0 |
+0.01 |
dB |
| REC CAL |
Super Wide |
mono |
398.4 |
Hz |
| -7.0 |
dB |
使ってみました
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本機は
当たり!の個体
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再調整によってこれだけ性能が出る KT-3030 は珍しいです。
羨ましいです。
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到着時 33dB だったセパレーションが 70dB と、70倍以上になりました。
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到着時 0.054% だった高調波歪率が 0.0077% と、1/7 以下になりました。
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これだけ性能改善が果たせたので、音質は聴き違えるほど良くなりました。
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感度は3倍以上となり、RF SELECTOR = [DIRECT] でもステレオ受信可能になりました。
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なお、通常は RF SELECTOR = [DISTANCE] で使うのが正しいです。
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[DIRECT] は目の前に送信塔があって電波が強過ぎて支障がある場合に使うモードです。
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[DIRECT] は RF 増幅を切り離して感度を下げて強過ぎる電波に対応するのです。
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感度と音質
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感度と妨害電波排除能力は素晴らしく良いです。
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良い音です。
修理後の試聴で NHK FM の音楽に聴き惚れてしまいました。
素晴らしい!