KENWOOD L-01T (4号機) が到着
2023年8月25日、埼玉県朝霞市の H さんから
KENWOOD L-01T
の修理依頼品が到着しました。
定価16万円
の高級 FM 専用チューナで
パルスカウント検波
です。
この写真は照明 LED 化後です。
本機は KENWOOD サービスで修理不能と匙を投げられており、この匙を筆者が拾うことになりました。
さてさて、どうなることやら ・・・
程度&動作チェック
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依頼者のコメント
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20年ほど前に秋葉原で中古を8万円くらいで購入し永らく愛用しておりました。
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ところが故障し、ステレオ受信出来なくなり酷いノイズが出ました。
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KENWOOD サービスに修理依頼しましたが、(部品がないとのことで) 修理不可で戻りました。
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修理に出せるあてもなく、そのまま部屋の飾りとなっておりました。
復活させて頂けるなら、ぜひお願いしたいです。
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外観
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製造シリアル番号は [00920132] で、電源コードの製造マーキングより [1979年製造品] とわかりました。
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底板に TRIO/KENWOOD サービスのメンテナンスシールが4枚貼ってありました。
壮絶な修理戦記があったようです。
| 修理日 |
記載事項 |
備考 |
| 1982年7月9日 |
ランプ交換 |
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| 1989年7月7日 |
RL, Tr |
リレーとトランジスタ交換か |
| 2012年9月12日 |
TrM |
トリマコンデンサ交換か、トリム (調整) のみか |
| 2014年11月5日 |
TrM |
トリマコンデンサ交換か、トリム (調整) のみか |
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汚れはありますが致命的な損傷はないです。
フロントパネルはそこそこ綺麗です。
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天板は木製ですが、左上の奥で木と木の接着が僅かに外れているようです。
ここは筆者では直せません。
家具屋に頼めば修理してくれると思います。
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リアパネルは綺麗です。
端子類に少し白いサビがありますが、使用にはさほど問題ないです。
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[RF SELECTOR] スイッチが機構的に故障しており、押し切った側に止まらず、押す前に戻ります。
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電源 ON してチェック
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あちこちのランプが切れています。
これは照明を LED 化するので直ります。
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電源は問題なく入り、[S メータ] [T メータ] は振れますが、バリバリという雑音しか出てきません。
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[MULTIPATH-H] 端子からもバリバリ雑音が出ています。
パルスカウント検波が故障しています。
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[T メータ] はユラユラと小刻みに揺れています。
時々大きく動くと [S メータ] の振れが小さく落ち込みます。
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[STEREO] ランプは点灯ではなく点滅します。
パイロット信号を検出しているのではなく、雑音で誤動作しているようです。
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以上より、あちこち複数同時故障していると思われます。
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カバーを開けてチェック
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内部の基板にはゴミがかなり堆積しています。
綿埃とベタッとした油汚れのようなゴミです。
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状態がかなり悪く一部の IC の足に赤サビが出ています。
KENWOOD で修理を断られた本当の理由はこれだったかもしれません。
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直感的にあちこち故障していて修理が難航する (修理費も高額化) と思われました。
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修理依頼者に状況を連絡し、予算的に大丈夫か確認したところ、修理を進めてほしいとのことでした。
リペア (その1):[MULTIPATH-H] 端子 (パルスカウント検波出力) からバリバリ雑音が出る
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不具合調査
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下の回路図はパルスカウント検波部分です。
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[IC5] で 1st IF 10.7MHz を 2nd IF 1.96MHz に変換し、2nd IF を元に [IC6] でパルカウント検波します。
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普通、バリバリ雑音の要因は [FL1] [FL2] [FL3] のどれかです。
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[FL2] の出力をオシロスコープで観測すると、波形が汚く揺れ動いています。
こうなると、原因は [FL1] [FL2] に絞り込めます。

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右の写真で白い部品が [FL1]、その下が [FL2]、黒い部品が [FL3] です。
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まずは [FL1] を基板から取り外して、下のように回路図化しました。
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書き込んだ部品定数は
LCR メータ
による実測値です。
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このデータより設計値は以下と思います。
| 部品番号 |
定数 |
| C1, C4 |
68pF |
| C2, C3 |
120pF |
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原因と修理
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[FL1] 内部のチタコンを目視チェックすると、[C3] が真っ黒になっていました。
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左の写真のように、[C3] を取り出して測定すると 1.1kΩ の抵抗に変身していました。
これが原因です。
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[C3] を除去して [FL1] を基板に戻し、右の写真のように、[C3] 代わりに温度係数の低いスチコン 120pF を基板の裏側に取り付けました。

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動作チェック
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[MULTIPATH-H] 端子からはバリバリ雑音のない綺麗な音が出るようになりました。
ここは直りました!!!
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しかし、オーディオ端子からはまだバリバリ雑音が出たままです。
まだ故障している箇所があるようです。
リペア (その2):オーディオ端子からバリバリ雑音が出る
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不具合調査
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下の回路図は検波出力を増幅する AF アンプです。
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検波出力は [FL4] [FL5] [IC14] を経由して [IC10] HA1457W に入ります。
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[IC10] 出力から [Q15] [Q16] で構成する A クラス SEPP 回路を経て MPX に入力します。
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オシロスコープで調べたところ、[IC10] HA1457W が故障しており、これが原因と判明しました。

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さて困った! [HA1457W] は製造中止となっており入手不可 → ヒロくんオリジナル
HR1457
製作だ!!!
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左の写真は取り外した [HA1457W] です。
機能は高耐圧 50V ですが単なる OP アンプです。
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これを右の回路で [NJM4580CG] と置き換えます。
性能は [HA1457W] より [NJM4580CG] のほうが優秀です。
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1つ制約があって耐圧は 36V しかありません。
高耐圧の OP アンプはかなり少なく、あっても高価なのです。
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ここは ±13V (26V) で使っているので、耐圧の心配はないです。

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材料は左の写真の [NJM4580CG] [面実装→DIP 変換基板] です。
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[NJM4580CG] は米粒2個くらいの大きさで、基板は 10mm 角でどちらも小さいです。
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右の写真は配線が終わった
HR1457
です。
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なぜこんな面倒なことをするかというと、こうしたほうがリード線が引き出しやすく、コンパクトにできるからです。
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確かに製作には手間と時間がかかりますが ・・・

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最後に左に写真のように絶縁目的の熱収縮チューブを被せて
HR1457
は完成しました!
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これを右の写真のように基板に組み込みました。
コンパクトなので、メンテナンスしやすい基板の裏側で実装しました。

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念のため
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[Q15] を [2SC1384]→[2SC2655L-Y] に、[Q16] を [2SA684]→[2SA1020L-Y] に交換しました。
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A クラス動作しているので、かなり熱を持ちます。
劣化しているかもと心配だったのです。
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動作チェック
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オーディオ出力端子からはバリバリ雑音のない綺麗な音が出るようになりました。
直りました!!!
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[STEREO] ランプも正しく点灯するようになりました。
リペア (その3):[T メータ] がユラユラと小刻みに揺れる
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不具合調査
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[T メータ] は [IC3] HA1137W で駆動し、クォードラチュア IFT [L6] で検出します。
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[HA1137W] の 12pin を測定してみると、[T メータ] がセンタでも +2.6V と中途半端な電圧で、おかしいです。
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IC ソケットして [HA1137W]→[LA1231N] に交換してみました。
IC の型式が違いますが [HA1137W]=[LA1231N] なので問題ないです。
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交換したら 12pin が 0V/4.8V を繰り返すようになり、少しマシになりましたが、まだ直っていません。
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[L6] を取り外し、内部のチタコンを見ましたが黒くなっておらず綺麗で問題なかったです。
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下の回路図はサーボロックを行っている AFC アンプです。
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[IC3] の AFC 出力を [IC4] で増幅してサーボロックを安定化します。
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オシロスコープで [IC4] HA1147W の出力 (1pin) を観測すると不安定で、 この IC が故障していると判明しました。
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修理
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ここの [HA1457W] もヒロくん特製の [HR1457] に交換しました。
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ここは単一の +14V で駆動しているので、[HR1457] にしても耐圧の問題はありません。
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動作チェック
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[T メータ] の動きは安定でサーボロックがピタリと気持ちよく効くようになりました。
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見事!直りました!!!
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それにしても、受信を安定にするサーボロックが故障して受信不安定だったとは、本末転倒!!!
リペア (その4):照明用フィラメントランプの完全 LED 化
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リプレースに使う LED
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テープ LED は [ダイヤルスケール] [S メータ] [T メータ] [WORDS] 照明に使います。
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1m あたり高輝度 LED 240個の凄まじい製品です。
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発色はウォームホワイト (電球色) としました。
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5mm 砲弾型 LED はセレクタとステレオ表示に使います。
[白色、10000mcd、照射角60度] です。
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3mm 砲弾型 LED は指針に使います。
[青色、8400mcd、照射角30度] です。

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LED 化した表示回路と LED 化した照明基板
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LED 化した表示回路です。
全て DC 駆動に変更しました。

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LED 化した [照明基板] です。

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テープ LED にした [ダイヤルスケール] [S メータ] [T メータ] [WORDS] 用散光板は除去しました。
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[セレクタ] [STEREO] 用の散光板はそのまま使いました。
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なお、[ダイヤルスケール] 用散光板は下の写真のようにボキッと真っ二つに割れていました。
LED 化するしかなかったようです。

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[WORDS] 照明の周りにある四角い枠は自作の遮光板です。
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ボール紙で簡単工作し、黒ラッカー塗装してからボンドで貼り付けました。
サイズは 110(W)×13(H)×10(D) mm です。
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テープ LED を貼り付ける位置は重要です。
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LED の中心を基板下から、[ダイヤルスケール] 用 9mm、[S/T メータ] 用 32mm、[WORDS] 用 24mm にします。
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L-01T はテープ LED 照明化すると幸せになれます!
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LED 化後はムラのない非常にスッキリとした素晴らしい表示になりました。
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L-01T が発売された時代には [青色 LED] [高輝度 LED] [高輝度テープ LED] がなかったのです。
技術進化が LED 化を可能にしました。
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フィラメントランプの時は 8V/0.15A のランプを23個使っていたので、照明だけで実に 28W 電力消費していました。
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LED 化後の電力消費は 5W くらいです。
発熱はほぼないです。
SDGs に貢献できます。
電気代も安くなります。
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長い目で見ると、今回の費用は安くなった電気代で回収できます。

リペア (その5):音が出なくなることがある
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上記までの修理で良い音になったのでロングランしていたら、音が出なくなる現象が出ました
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長時間 (2時間以上) 電源 OFF してから ON にした時に出やすく、ON のまま10分くらい放置すると勝手に直ります。
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原因
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原因は 2nd IF 作成用 LC 発振器が停止するためと判明しました。
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左の回路図は 2nd OSC 変換回路です。
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左の太線から入った 1st IF 10.7MHz はダウンコンバートされ、右の太線から 2nd IF 1.96MHz として出力されます。
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LC 発振器の 8.74MHz と 1st IF 10.7MHz を混合し、10.7MHz - 8.74MHz = 1.96MHz を作成します。
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LC 発振が停止する要因は [IC5] AN610 か [L8] コイルのいずれか、または両方の故障です。
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右の写真は、基板から取り外した [L8] の裏側を眺めたものです。
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内蔵チタコンがマイグレーションで真っ黒になっています。
たぶん、このチタコンの故障です。
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マイグレーションは一種の抵抗なので、コンデンサの Q を下げます。
Q が下がると発振しにくくなります。
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マイグレーションによる抵抗値は不安定なので、発振したりしなかったりと不安定になります。
現象と辻褄が合います。

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修理
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左のように [L8] を回路図化しました。
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書き込んだ部品定数は
LCR メータ
による実測値です。
このデータより設計値は以下と思います。
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[L8] からチタコンを除去してから基板に戻しました。
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チタコンの代わりに 右の写真のように 30ppm 温度補償積層セラミックコンデンサ 82pF を基板の裏側に取り付けました。

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動作チェック
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2nd OSC が元気よく発振するようになり、更に音が良くなりました。
見事!直りました!!!
リペア (その6):電解コンデンサ交換
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交換の方針
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オーディオ信号が通過する電解コンデンサを全数交換します。
使用する電解コンデンサのグレードはオーディオクラスとします。
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交換リスト
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[C79] は高級な積層セラミックコンデンサですが、これ以外はオーディオクラス電解コンデンサです。
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右の写真は交換前に基板に実装されていた電解コンデンサです。
| 部品番号 |
交換前 |
交換後 |
| C55 |
100uF/16V |
100uF/25V (MUSE) |
| C66 |
1uF/50V |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
| C78 |
22uF/10V |
22uF/35V (FG) |
| C79 |
10uF/16V |
10uF/25V (積セラ) |
| C80 |
3.3uF/50V |
3.3uF/50V (MUSE) (BP) |
| C99 |
22uF/10V |
22uF/25V (MUSE) (BP) |
| C100 |
22uF/10V |
22uF/25V (MUSE) (BP) |
| C107 |
1uF/50V |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
| C108 |
1uF/50V |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
| C111 |
220uF/10V |
220uF/25V (FG) |
| C112 |
220uF/10V |
220uF/25V (FG) |
| C113 |
10uF/10V (BP) |
22uF/25V (MUSE) (BP) |
| C114 |
10uF/10V (BP) |
22uF/25V (MUSE) (BP) |
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動作チェック
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少し低域に余裕を感じるようになって、更に良い音になりました。
リペア (その7):[RF SELECTOR] スイッチが機構的に故障している
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スイッチの修理を試みましたが、直りませんでした
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スイッチを交換するしかないのですが、入手不可です。
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通常は感度が上がる [NORMAL] 側で使うほうが良いのですが、スイッチ故障で設定できません。
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苦肉の策
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[RF SELECTOR] スイッチの位置に関わらず [NORMAL] 動作するようにしました。
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右の写真のように、[スイッチ基板] の [22]~[27] 端子間を [黄色の電線] で接続しました。
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こうすると、常に [NORMAL] 動作します。
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[RF SELECTOR] スイッチの操作で [DIRECT] [NORMAL] ランプは切り換わりますが、動作は [NORMAL] のままです。
単なる飾りです。
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もしも奇跡がおこってこのスイッチが直れば、この [黄色の電線] を外せば元の動作に戻ります。
リペア (その8):76~78MHz 辺りの低い周波数で [S メータ] がユラユラ動く
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トラッキング調整している時に気が付きました
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フロントエンドの RF トラッキング調整では電波レベルが 30dB 程度の低いレベルで行います。
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この時に低い周波数で [S メータ] がユラユラ動いて調整できないのです。
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電波レベルが 60dB 以上ではこの現象が出ないので、気が付かなかったのです。
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原因
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バリコンの故障です。
故障と言ってもバリコン軸の接触不良なので回復可能です。
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バリコンを観察すると、右の写真のようにバリコン軸に緑青サビが出ています。
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緑青サビは絶縁物なのでバリコン軸が接触不良になるのです。
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対策
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バリコン軸接触不良回復作業を実施しました。
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エレクトロニッククリーナ
を軸受けに噴射し何度もバリコン羽を動かすと緑青サビが湧き出てきます。
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湧き出た緑青サビを爪楊枝で丹念に落とします。
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[1]~[2] を何度も何度も繰り返します。
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仕上げに、軸受けに
CRC 5-56
を塗布して防錆処置します。
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8連バリコンなので、結構手間がかかりましたが、以上で
直りました!!!
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もう低レベルの電波でも [S メータ] が揺れることはなくなりました。
リペア (その9):ステレオセパレーション調整で性能が出ない
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セパレーション調整している時に気が付きました
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SUB レベル調整で半固定抵抗を回してもピークが出ません。
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この状態でステレオセパレーション調整を強行したら 35dB 程度しか出ません。
L-01T にしては低すぎる、何かオカシイ!
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原因
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現象からピーンと閃きました。
過去の L-01T 修理の経験から、これは [SCA フィルタが効き放し] なのではないか。
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下の回路図は [SCA フィルタ] の部分で、[IC9] NJM4559DC でフィルタを ON/OFF します。
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[IC9] をチェックすると完全に故障していました。
そして [SCA フィルタ] が常に ON になっていました。
これが原因です。

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対策
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右の写真は基板から外した [IC9] NJM4559DC です。
足が赤サビだらけです。
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この IC が錆びているのは、最初の状態チェックで気が付いていましたが、交換するのをすっかり忘れていました。
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本機はあまりも故障個所が多かったので、修理作業しているうちに忘れてしまったのです。
反省!
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右の写真のように、[IC9] 部分を IC ソケット化してから [NJM4580DD] に交換しました。
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[NJM4559DC] より [NJM4580DD] のほうが性能が良くお高い IC です。
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SUB レベル調整もステレオセパレーション調整もバッチリ高級機クラスの性能に設定できました。
直りました!!!

再調整
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電源電圧チェッック (VP)
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実測値は以下のように正常でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
備考 |
| 電源基板 端子13 |
+14V |
+14.0V |
〇 |
Front End, IF |
| 電源基板 端子15 |
+16V |
+16.3V |
〇 |
MPX |
| 電源基板 端子17 |
-16V |
-16.2V |
〇 |
MPX |
| 電源基板 端子19 |
+12V |
+12.7V |
〇 |
1'st OSC |
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FM 受信部の調整
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調整結果
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フロントエンドのトラッキング調整がズレていました。
再調整で直りました。
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MPX の SUB レベルが下がっていましたが、再調整で正常値になりました。
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ステレオセパレーションが10倍以上良くなり、以下のような素晴らしい性能に再調整できました。
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再調整で音に艶が出て聴き惚れる素晴らしい良い音になりました。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
59 |
58 |
dB |
| NARROW |
42 |
44 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.069 |
% |
| stereo |
0.069 |
% |
| NARROW |
mono |
0.12 |
% |
| stereo |
0.15 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-79 |
-87 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 |
WIDE |
mono |
0 |
-0.01 |
dB |
使ってみました
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修理を終わっての感想
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到着時に本機から聞こえてくるのは雑音だけでした。
こういう状態なので、根気よく1つずつ直していくしかなかったです。
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1つ直すと、今まで雑音に隠れていた不具合がまた1つ出てくるという具合で、なかなか収束しなかったです。
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複数の箇所で同時故障しているのです。
どうしたら、こんなあちこち故障するのだろう ・・・
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普通の修理は半日から1日で直りますが、本機は修理に数日もかかってしまいました。
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[照明 LED 化] [オーディオ信号関連の電解コンデンサ交換] の追加作業もしました。
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手間と時間がかかった本機ですが、全て直せてホッしました。
KENWOOD サービスが投げた匙を見事にキャッチ!!!
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修理後は L-01T 本来のゾクッとするリアルな音質に蘇ってよかったです。
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デザイン
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デザインはとても良いですが、ともかく大きいです。
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電源を入れるとダイヤル面などが照明でパッと浮き上がります。
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今回、照明を完全 LED 化したのでスッキリとした色合いになりました。
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チューニングノブから手を離すと、同調サーボロックがかかります。
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アンテナ端子に F 端子があるのが、ありがたいです。
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リアパネルにある [CONTINUOUS DIAL LIGHT] スイッチ
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[ON] で、ダイヤルスケールとメータ照明が常時点灯します。
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[OFF] で、ダイヤルスケールとメータ照明がチューニングノブに手を触れた時だけ点灯します。
面白い仕掛けです。
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感度や音質
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感度は良好で、高級機らしい安定な受信ができます。
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音はパルスカウント検波らしいスッキリ感があります。
解像度感のある澄みきった音に聞き惚れます。
低音はよく出ています。
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NHK FM でクラシック音楽を聴いていると、静寂の中からキラキラ輝く素晴らしい音が飛び出すのを感じます。
S/N が良いです。
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人の声にもリアルさを感じます。
目の前で話していると錯覚しそうです。
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素晴らしいチューナです。
ただし、半世紀物ですから新たに入手した場合は多くのリペアが必要になると思います。