TRiO KT-990

TRiO KT-990 が到着

2015年11月3日、豊橋市のKさんから パルスカウント検波 が特長の TRiO KT-990 の修理&再調整依頼品が到着しました。



程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. IC を使用して合理化が図られています。

    メーカ IC 機能
    NEC uPC1163H FM IF Amplifier
    uPC1223C FM Multiplex Stereo Demodulator
    Panasonic AN6135 Hi-Fi Pop-Noise Canceller Circuit
    AN6555 Low Noise Dual Operational Amplifier
    AN6877 7-Dot LED Driver Circuits
    SANYO LA1245 AM Electronic Tuner
    TRIO-KENWOOD TR4011 Pulse Count Detector
    TR7020 Quadrature Detector & IF Down Convert

  3. FM フロントエンドは以下の構成で、4連バリコンです。

  4. FM IF 部は以下の構成です。 WIDE 側にゲイン調節ボリューム (VR1) があります。

  5. FM パルスカウント検波部 ・・・ 第3世代パルスカウント検波 の構成です。

  6. MPX 部は [uPC1223C] を使った PLL MPX です

  7. AM 部のフロントエンドは2連バリコンです。 [LA1245] で全てを構成します。



リペア

  1. FM 受信で -0.2〜-0.1MHz 程度の周波数ズレがある

  2. バリコンの真鍮の軸や金具に緑青のサビが出ている



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント

    FM/AM
    区分
    種別 調整ポイント 調整内容
    FM L T1
    T2
    T3
    RF トラッキング
    TC TC1
    TC2
    TC3
    L T4 OSC トラッキング
    TC TC4
    IFT L1 IF
    IFT L2 IF (WIDE)
    IFT L4 QR 同調点
    IFT L5 Noise IF
    IFT L6 2nd OSC
    VR VR1 WIDE GAIN
    VR VR2 REC CAL
    VR VR3 NARROW SEPA
    VR VR4 WIDE SEPA (R)
    VR VR5 WIDE SEPA (L)
    VR VR6 PILOT CANCEL
    VR VR7 VCO
    LPF L14 38kHz LPF
    AM L L10 RF トラッキング
    TC CT1
    L L12 OSC トラッキング
    TC CT2
    IFT L11 IF

  2. 電圧チェック

    TP 標準値 実測値
    J151 +14V +13.93V

  3. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 KT-990 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - REC CAL : OFF
    LOCK : OFF
    MODE : AUTO
    IF BAND : NARROW
    SELECTOR : FM
    - -  
    2 90MHz 40dB
    無変調
    指針を90MHz
    に合わせる
    TC4 TP4 電圧 = 最大 OSC トラッキング調整
    指針をダイアヤルに
    合わせるのが目的
    3 L4 T メータ = センタ 同調点調整
    4 83MHz 40dB
    無変調
    83MHz 受信
    LOCK : ON
    TC1
    TC2
    TC3
    TP4 電圧 = 最大 RF トラッキング調整
    5 L1
    L2
    IF 調整
    6 - TP4 電圧 = 記録 WIDE ゲイン調整
    7 83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    VR1 TP4 電圧 = 手順6と同一
    8 83MHz 90dB
    無変調
    L6 TR4011 1pin = 1.96MHz
    周波数カウンタで測定
    パルスカウント検波調整
    9 VR7 TP3 = 76kHz
    周波数カウンタで測定
    VCO 調整
    10 83MHz 90dB
    stereo 1kHz L+R
    L1 オーディオ出力 = 高調波歪率最小 IF 歪補正
    11 VR6 オーディオ出力 = 19kHz 成分最小 パイロット・キャンセル調整
    12 L14 左 オーディオ出力 (L) = 38kHz 成分最小 LPF 調整
    13 L14 右 オーディオ出力 (R) = 38kHz 成分最小
    14 83MHz 90dB
    stereo 1kHz R
    VR5 オーディオ出力 (L) = 最小 WIDE
    セパレーション調整
    15 83MHz 90dB
    stereo 1kHz L
    VR4 オーディオ出力 (R) = 最小
    16 83MHz 90dB
    stereo 1kHz R/L
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    VR3 オーディオ出力 (L/R) = 最小 NARROW
    セパレーション調整
    17 83MHz 90dB
    mono 400Hz
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    - オーディオ出力 = レベルを記録 REC CAL 調整
    18 REC CAL : ON VR2 オーディオ出力 = 手順17の -6dB

  4. AM 受信部の調整

    手順 SSG出力 KT-990 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - SELECTOR : AM - -  
    2 600kHz 60dB
    無変調
    指針を 600kHz に
    に合わせる
    L12 TP4 電圧 = 最大 OSC トラッキング調整
    指針をダイアヤルに
    合わせるのが目的
    3 1400kHz 60dB
    無変調
    指針を 1400kHz に
    に合わせる
    CT2
    4 手順2〜3を数回繰り返す
    5 600kHz 40dB
    無変調
    600kHz 受信 L10 TP4 電圧 = 最大 RF トラッキング調整
    6 1400kHz 40dB
    無変調
    1400kHz 受信 CT1
    7 手順5〜6を数回繰り返す
    8 1000kHz 40dB
    無変調
    1000kHz 受信 L11 TP4 電圧 = 最大 IF 調整

  5. 調整結果

    項目 IF BAND L R 単位
    ステレオセパレーション (1kHz) WIDE 65 65 dB
    NARROW 58 61 dB
    パイロット信号キャリアリーク WIDE -53 -54 dB
    オーディオ出力レベル偏差 (mono) 0 +0.12 dB
    REC CAL 信号 421.9 Hz
    -6.8 -6.8 dB



使ってみました

  1. デザインが優れた薄型チューナ

  2. 機能関連

  3. 感度や音質



仕様