LUXMAN 5T10 (3号機) をゲット!
2012年4月29日、名古屋市の I さんより
LUXMAN 5T10
が到着しました。
研究用としての寄贈品です。
到着時にランプ切れがあり、代替ランプが入手できず放置して忘れていました。
時は過ぎ技術は進み電球色の LED が入手できるようになり、2025年3月24日にメンテナンスを完了しました。
ラボラトリーリファレンスシリーズの FM チューナ
定価108,000円
の FM 専用高級機です。
この写真は照明を LED 化した後です。
ウォームホワイト色 (電球色) を使ったので元の雰囲気を保っています。
程度&動作チェック
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寄贈者のコメント
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外観
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製造シリアル番号は [L8600989] で、電源コードの製造マーキングより [1978年製造品] とわかりまし。
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パッと見はかなり綺麗ですが、近付いてよく見るとフロントパネルにポツポツとした薄いサビや小キズがあります。
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パンチングメタル製の天板・底板とリアパネルは綺麗で [RCA 端子] [F 端子] にも輝きが残っています。
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総合して50年物ビンテージ品としては、まあまあ良い状態です。
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電源 ON してチェック
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電源は問題なく入りましたが、ダイヤル照明の右側ランプが切れています。
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[S メータ] が振れ [tuning] ランプが点灯し、アキュタッチ動作もします。
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[STEREO] ランプが点灯してステレオ感があります。
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[mode] スイッチを [test tone] に切り換えると正常にテスト音が出ます。
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カバーを開けてチェック
リペア (その1):右側のダイヤル照明ランプが切れている
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状況
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5T10 ではダイヤル照明だけにフィラメント麦球を使っており、それ以外のランプは LED です。
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周波数パネルを左右に1個ずつのフィラメント麦球で照射しています。
合計2個です。
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フィラメント麦球の定格は 12V/0.25A で、これが2個ですから 12V×0.25A×2個=6W の電量力消費です。
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修理 (LED 化)
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フィラメント麦球を交換するより、LED 化したほうがよいです。
日本ではフィラメント麦球はもう製造されていません。
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フィラメント麦球はいずれ寿命でまた切れますが、LED はまず切れることはありません。
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左の回路で LED 化しました。
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まずはフィラメント麦球だった時の配線を除去しました。
そして新たに高級な耐熱電線で LED 化の配線を引き回しました。
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使った LED は [3mm 砲弾型 ウォームホワイト色 14400mcd / 照射角30度 / 定格 20mA / 最大 30mA] です。
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LED は DC 駆動する必要があり、[電源基板] にある [C301] 1000uF/25V の両端から電源を取りました。
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今回は LED の側面光を使うことにしました。
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正面光を周波数スケールに向けるのは 5T10 の構造ではかなり難しいのです。
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正面光より光が弱くなるので、LED に流す電流を増して光量を稼ぐ作戦です。
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右の写真は、電流制限抵抗の取り付け状態です。
[電源基板] の裏側です。
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電流制限抵抗を 1.5kΩ として電流を 11mA にしました。
定格の1/2程度ですから更に長寿命が期待できます。
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この抵抗値を増減すると LED 照明の明るさを変更することができます。

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LED 化完成
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LED にウォームホワイト色 (電球色) を使ったので、従来の雰囲気はそのままです。
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おそらく、黙っておれば LED 化したと気付かれないでしょう。
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大きく変わったのは消費電力です。
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消費電力はたったの 21.9V×11mA=0.24W です。
フィラメント麦球の時は 6W でしたから激減です。
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安くなった電気代で LED 化費用はいずれ回収できます。
しかも LED はほぼ発熱しないので、機器の信頼性が上がります。

リペア (その2):清掃など
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パンチング天板の塗装ハゲ補修
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パンチング天板にほんの僅かな塗装ハゲがあったので、自動車用のタッチアップペン黒で補修塗りしました。
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清掃
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エアブロアと刷毛を使って簡易清掃しました。
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基板には部品が実装されているのでゴシゴシとはできないので、あくまで簡易清掃です。
再調整
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電源電圧チェッック (VP)
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実測値は以下のように良好です。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
| 電源基板 +BOUT |
+15V |
+14.2V |
〇 |
| 電源基板 -BOUT |
-15V |
-14.2V |
〇 |
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FM 受信部の調整
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調整結果
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既に I さんのほうで再調整されているのか、大きなズレはありませんでした。
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再調整後の特性は以下です。
ステレオセパレーションは良好で、特に
高調波歪率が少ない
当たりの個体です。
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さすがラボラトリーリファレンスシリーズの FM 専用チューナです。
| 項目 |
wide/narrow |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
wide |
stereo |
59 |
58 |
dB |
| narrow |
29 |
29 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
wide |
mono |
0.039 |
% |
| stereo |
0.039 |
% |
| narrow |
mono |
0.13 |
% |
| stereo |
0.16 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
wide |
stereo |
-80 |
-80 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
wide |
mono |
0 |
+0.03 |
dB |
| test tone 信号 |
wide |
mono |
421.9 |
Hz |
| -6.0 |
dB |
使ってみました
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修理&再調整が終わって
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今回は LED 化したので照明の長寿命が期待できます。
手直ししたのはこれくらいで状態が良い個体でした。
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デザイン
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LUXMAN デザインは優美です。
ダイヤルスケールと指針が美しいです
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ラボラトリーリファレンス機で計測器のような精悍さがあります。
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薄型なのに、ズッシリとした高級品らしい重さがあります。
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フロントパネルは質の良いアルミヘアラインで 4.5mm 厚もあります。
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ダイヤルスケールの照明が淡くホンワカした感じが良いです。
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Accutouch
は、放送局が見つかると同調ノブに機械的ロックがかかる面白い機能です。
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FM アンテナ入力は F 端子なので、雑音電波が混入しないです。
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感度と音質
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感度は良く、デザインや質感と相まって満足度の高いです。
クォードラチュア検波なのにすごく音が良いです。
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刺激のない豊潤な音質です。
特に低音が豊かですが、高音もよく出ています。