ONKYO Integra T-466mkU

ONKYO Integra T-466mkU をゲット!

2024年10月16日、奈良県生駒郡の S さんより ONKYO Integra T-466mkU の故障品を研究用に寄贈いただきました。

[FM フロントエンド] が故障していたので直せなかったのですが、せっかく記事をまとめたので、記録に残します。

当方の病院に来るチューナ患者さんの20台に1台は治せないのが実情です。 こうなると部品取りにバラバラに解剖して、ドナーとして他のチューナ患者さんに移植手術に役立たせていただいております。



程度&動作チェック

  1. 寄贈者のコメント

  2. 外観

  3. 電源 ON してチェック

  4. カバーを開けてチェック



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. FM フロントエンド

  3. FM IF 部

  4. FM MPX 部

  5. AM 受信部



T-466mkU と T-466NU:ほぼ同じ

  1. T-466mkUT-466NU のちがい

  2. 結論



リペア (その1):S メータがフラフラと揺れてボソボソ雑音が出る

  1. 調査と原因

  2. 修理

  3. 再組立てして動作確認



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 電圧チェックポイント (VP)

    VP 標準値 実測値 判定 備考
    Q901-E +23.4V (未測定) AF 出力アンプ
    Q902-E +12.4V (未測定) チューナ全般

  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 T-466mkU の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - SELECTOR : FM
    MUTING : OFF
    NOISE FIL : OFF
    MODE : STEREO
    - -  
    2 83MHz 90dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信 L102 同調ノブを動かして
    T メータの左右の振れが同じ

    かつ
    T メータ = センタ で
    オーディオ出力 = 高調波歪最小
    同調点(仮)調整
    3 78MHz 90dB
    無変調
    指針を 78MHz
    に合わせる
    [FE]
    Lo
    T メータ = センタ OSC トラッキング調整
    ダイヤルに指針を合わせるのが目的
    4 88MHz 90dB
    無変調
    指針を 88MHz
    に合わせる
    [FE]
    TCo
    5 手順3〜4を数回繰り返す
    6 78MHz 40dB
    無変調
    78MHz 受信 [FE]
    LA
    LR×2
    S メータ = 最大 RF トラッキング調整
    7 88MHz 40dB
    無変調
    88MHz 受信 [FE]
    TCA
    TCR×2
    8 手順6〜7を数回繰り返す
    9 83MHz 40dB
    無変調
    83MHz 受信 [FE]
    IF
    S メータ = 最大 IF 調整
    10 83MHz 90dB
    mono 1kHz
    L101 オーディオ出力 = 高調波歪最小 レシオ検波調整
    11 L102 T メータ = センタ
    12 手順10〜11を数回繰り返す
    13 83MHz 90dB
    無変調
    83MHz 受信 R202 TP 周波数 = 19kHz
    周波数カウンタで測定
    VCO 調整
    14 83MHz 90dB
    stereo 1kHz L+R
    [FE]
    IF
    オーディオ出力 = 高調波歪最小 stereo IF 歪調整
    ±90度の範囲で調整
    15 83MHz 90dB
    stereo 1kHz R/L
    R405 オーディオ出力 (L/R) = 最小 セパレーション調整
    16 83MHz 60dB
    無変調
    R163 S メータ = 95% S メータ調整
    17 83MHz 90dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信
    MUTING : ON
    R156 R156 を左右に回して
    MUTING 解除される範囲
    の中間に設定する
    同調点ミューティング調整
    18 83MHz 26dB
    mono 1kHz
    R142 MUTING = ON/OFF 閾 ミューティング調整

  3. AM 受信部の調整

    手順 SSG出力 T-466mkU の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - SELECTOR : AM - -  
    2 600kHz 40dB
    無変調
    指針を 600kHz
    に合わせる
    L103 S メータ = 最大 OSC トラッキング調整
    ダイヤルに指針を合わせるのが目的
    3 1400kHz 40dB
    無変調
    指針を 1400kHz
    に合わせる
    [バリコン]
    OSC トリマ
    4 手順2〜3を数回繰り返す
    5 600kHz 40dB
    無変調
    600kHz 受信 バーアンテナ S メータ = 最大 RF トラッキング調整
    6 1400kHz 40dB
    無変調
    1400kHz 受信 [バリコン]
    RF トリマ
    7 手順5〜6を数回繰り返す
    8 1000kHz 40dB
    無変調
    1000kHz 受信 X103
    L104
    S メータ = 最大 IF 調整



使ってみました

  1. デザイン

  2. 性能・音質



仕様など

  1. ドキュメント

  2. 仕様

    FM 受信部
    受信周波数範囲 76〜90MHz
    感度 2.0uV (IHF)
    3.3uV (S/N 50dB)
    イメージ妨害比 100dB (83MHz)
    IF 妨害比 100dB (83MHz)
    S/N 比 73dB
    ACA (2信号選択度) 65dB
    AM 抑圧比 53dB
    キャプチャーレシオ 1.5dB
    歪率 (1kHz) mono : 0.2%
    stereo : 0.4%
    ステレオセパレーション 40dB (1kHz)
    35dB (100Hz〜10kHz)
    周波数特性 20Hz〜15kHz +0 -3dB
    AM 受信部
    受信周波数範囲 535〜1605kHz
    感度 200uV/m
    イメージ妨害比 50dB (1000kHz)
    IF 妨害比 33dB (1kHz)
    S/N 比 60dB
    歪率 (400Hz) 0.5%
    総合
    外形寸法 440(W)×150(H)×386(D)mm
    重量 7.6kg
    その他
    発売時期 1974年11月
    定価 45,000円