Pioneer F-F3 が到着
2024年4月5日、山形県東根市の A さんより
Pioneer F-F3
の修理依頼品が到着しました。
F 端子が取れてしまったとのこと。
程度&動作チェック
-
修理依頼者のコメント
-
強くぶつかったせいで、F 端子が取れてしまいました。
-
受信できれば見た目は気にしませんので、必要であればリアパネルにに穴をあけて頂いても結構です。
-
外観
-
[2007製造品] で、製造シリアル番号は [GLIL 000364JP] です。
-
天板に何かの移り跡がありますが、とても綺麗な逸品です。
-
リアパネルの F 端子は完全に取れて無くなっていました。
これ以外の端子類はピカピカで新品同様です。
-
[リモコン] [純正 AM ループアンテナ] [電源コード] の添付はありませんでした。
-
電源 ON してチェック
-
LCD 表示器は動作は正常ですがコントラストが弱いです。
各ボタンは正常に動作します。
-
FM 受信
-
取れた F 端子の奥にリードが見えたのでクリップケーブルを使って無理矢理アンテナに接続しました。
-
[STEREO] ランプが点灯し正常に放送受信できました。
この機種はワイド FM には対応していないようです。
-
AM 受信
-
[純正 AM ループアンテナ] の添付がなかったので、手持ちのループアンテナを接続してチェックしました。
-
特に問題なく良好に放送が受信できました。
感度もよさそうです。
カバーを開けてみました
-
内部の作りは良いです。
写真をクリックすると大きな写真を表示します。
-
なんと!
FM/AM チューナパック
方式です。
-
写真の右上に見える小さな金属ケースにチューナとしての全ての機能が入っています。
-
全ての機能とは [FM フロントエンド] [FM IF 部] [FM 検波部] [MPX 部] [AM 受信部] です。
-
パック内の部品は微小なので部品交換が難しいです。
-
大きな基板は [メイン基板] でほぼ電源と MCU です。
-
その他
-
写真には写っていませんが [LCD 基板] [フロント基板] などがあります。
-
どこにも調整ボリュームなどがありません。
-
強いて言えば [チューナパック] には調整部品がありますが、調整するようには設計されていません。
-
このチューナは故障したらユニットごとに交換という設計思想で、ユニット内の修理はしないということです。
リペア:F 端子が無くなっている
-
チューナパックを取り外しました
-
左の写真は到着時の F 端子が取れたリアパネルです。
右の写真は取り外した [チューナパック] です。
-
こんな小さなパックにチューナの全機能が入るはずがありません。
本機の性能はカーラジオ並みとしか思えません。

-
[チューナパック] の上下カバーを外して観察
-
下の写真は [チューナパック] の表と裏です。
それぞれの写真をクリックすると大きな写真を表示します。
-
元の F 端子はこの薄い金属フレームに圧着で取り付けられていたようで、外部からの衝撃には弱いです。
-
できれば交換する F 端子を同じ位置に付けたいと思って寸法計測しましたが、無理とわかりました。

-
修理
-
リアパネルに新たに取り付ける F 端子の穴をステップドリル刃で開けました。
-
[チューナパック] の FM アンテナ入力を同軸ケーブルで引き出し、新設した F 端子に接続しました。
-
ポッカリ開いたままの元の F 端子の穴を260℃耐熱ポリミイドテープでマスクして、防塵対策しました。

-
修理後、新設した F 端子にアンテナをつないで良好に FM 受信できることを確認しました。
-
リアパネルに開いている元の穴が気になるなら黒のタックシールでも貼り付ければよいと思います。
FM オーディオ性能を測定
-
目的
-
F-F3 に使われている [チューナパック] の性能がどの程度か興味があります。
測定してみます。
-
測定結果
-
以下のように、やはりカーラジオ並みの性能しかありませんでした。
-
というか、この [チューナパック] はそもそもカーラジオで使うために設計されたものでしょう。
| 項目 |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
stereo |
39 |
37 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
mono |
0.41 |
% |
| stereo |
0.41 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
stereo |
-29 |
-29 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
mono |
0 |
+0.29 |
dB |
使ってみました
-
デザイン
-
デザインは良いです。
分厚いアルミ材のフロントパネルが豪華です。
-
ノブやボタンは小さく上品です。
5kg と結構重いです。
-
LCD ディスプレイのコントラストが弱いが、これは元からだろうか?
-
各種設定はメニュー方式なっていて、目的の設定に手数がかかり、使い辛いです。
-
従来のチューナではプリセットコールはボタンをワンタッチでしたが ・・・
-
本機ではまずはメニューから [Search Mode] を選んで [Preset] を選ぶ必要があります。
-
[PRESET] ノブを回すとプリセットコールできますが、シーケンシャルにしかコールできず、イライラします。
-
ダイレクトコールできないのです。
-
プリセットメモリは [10 page (A~J)]×[10/page (1~10)]=100局分 もあります。
-
十分過ぎです。
というか、こんなにあっても使いきれないです。
-
これだけの数をシーケンシャル選択するのは大変です。
ますますイライラします。
-
おそらくリモコンで操作するほうが快適だと思います。
-
受信した電波レベルを表示する S メータ機能がないです。
-
感度や音質
-
FM/AM とも感度は良いほうです。
-
音質は普通に使うには特に問題ありませんが、高音質というわけではないです。
仕様ほか
-
ドキュメント
-
プレスリリース
-
仕様
-
発売時情報
| 発売時期 |
2007年10月下旬 |
| 定価 |
税込45,000円 |