SONY ST-S333ESA (15号機) が到着
2024年1月31日、埼玉県戸田市の O さんより
SONY ST-S333ESA
の修理依頼品が到着しました。
程度&動作チェック
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修理依頼者のコメント
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オーディオ店で新品を購入し使用してきました。
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ここ最近、数日間電源を入れないとプリセット記憶が消えます。
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以前に比べ、シグナルメータの表示が低いです。
FM 受信時の感度・信号レベルが低下しているようです。
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長年使用してきて愛着もあり修理をお願いします。
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外観
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製造シリアル番号は [200823] で、電源コードの製造マーキングより [1991年製造品] と判明しました。
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[純正 AM ループアンテナ] の添付がありました。
とても綺麗な逸品です。
さすがワンオーナ品です。
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外観にはどこにも文句のつけようがない良好な状態です。
サイドウッドやリアパネルの端子類もピカピカです。
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電源 ON にてチェック
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電源は問題なく入りました。
各ボタン操作は問題なく、ディスプレイの輝度は新品同様に明るいです。
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プリセットは全部消えて初期状態になっていました。
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FM 受信
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修理依頼者の言う通り、S メータの振れはやや少ないです。
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[STEREO] 表示が出て問題なく受信できました。
オートチューニングで放送局の正しい周波数で停止します。
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AM 受信
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添付された [純正 AM アンテナ] を接続してチェックしました。
特に問題なく受信できます。
感度も良好です。
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カバーを開けてチェック
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ほんの僅かの煤状ゴミがありますが、非常に綺麗です。
目視でわかる劣化部品は無いようにみえます。
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FM トリマコンデンサコンデンサが劣化していないかを判断するために、少し回して放送波で仮調整してみました。
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トリマコンデンサの反応は良好で劣化はみられず良好です。
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S メータの振れがビューンと大きくなり、当方の環境ではフルになりました。
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修理依頼者の言う「シグナルメータの表示が低い」は再調整で直りそうです。
経年変化で調整がズレてくるのはやむを得ないです。
リペア (その1):数日間電源を入れないとプリセット記憶が消える ・・・ 修理依頼者より
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原因
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プリセットメモリの記憶バックアップは [電気二重層コンデンサ] で行っています。
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製造後30年を過ぎているので劣化しても不思議ではありません。
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[電気二重層コンデンサ] 交換が正解です。
ただし、どの程度バックアップ可能かの試験は1ヶ月~1年はかかるので、できないです。
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修理
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[電気二重層コンデンサ] に合わせ [タンタルコンデンサ] も交換しました。
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左の写真の小さな赤〇で囲んだ [C603] 10uF/6.3V タンタル → 10uF/25V 積層セラミックコンデンサに交換しました。
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左の写真の大きな赤〇で囲んだ [C605] を 1F/5.5V 電気二重層コンデンサに交換しました。
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右の写真は [C603] [C605] 交換後です。

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コメント
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電気二重層コンデンサはデフォールトの 0.1F → 1F と10倍の容量になったので、10倍の10ヶ月メモリ保持できるかも?
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タンタルコンデンサは短絡事故が多いです。
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使われていたタンタルコンデンサの耐圧が 6.3V しかありません。
ここには 6V 近くの電圧がかかります。
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タンタルコンデンサは耐圧を超えた電圧がかかると簡単に内部短絡します。
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半世紀前に [人気者] だったタンタルコンデンサは、現在では短絡事故が多いことから [嫌われ者] になっています。
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換装した積層セラミックコンデンサはタンタルより高性能でやや高価な無極性コンデンサです。
リペア (その2):ハンダクラック対策 ・・・ 予防保守
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全体のハンダクラックの状況を観察
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ST-S333ES シリーズにはハンダクラックしやすい箇所があるという持病があります。
チェックしてみました。
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左の写真はオーディオ出力端子の基板へのハンダ付け部分で、右チャンネルがハンンダクラック気味でした。
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右の写真のように基板上に細長い銅板が何枚も走っていますが、これがアースバーです。
電源ラインにも使っていますがアースバーと呼ぶ。
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アースバーの裏側のハンダ付け部分もハンンダクラックしやすく、数か所でハンダクラックが見られました。

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修理
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リアパネルにある [FM アンテナ端子] [AM アンテナ端子] [RCA 出力端子] のハンダ付け部を補修ハンダ付けしました。
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8枚ある全ての [アースバー] のハンダ付け部を補修ハンダ付けしました。
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補修ハンダ付けは、古いハンダを吸引して除去し、新しいハンダを付けるのが正しいやり方です。
リペア (その3):その他
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内部にほんの僅かの煤状ゴミがある
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エアブロアと刷毛を使って、できる範囲で清掃しました。
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交換した部品の記念写真
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右の写真は修理前に基板に実装されていた部品です。
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左から [電気二重層コンデンサ] [タンタルコンデンサ] です。
再調整
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電源電圧チェック (VP)
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実測値は以下のように良好でした。
| VP |
標準電圧 |
実測電圧 |
判定 |
備考 |
| JW88 |
+30V |
+30.2V |
〇 |
PLL |
| JW89 |
+15V |
+15.0V |
〇 |
AUDIO |
| JW145 |
-17V |
-17.9V |
〇 |
FL |
| JW213 |
+13V |
+13.4V |
〇 |
DIGITAL |
| JW220 |
+5.6V |
+5.67V |
〇 |
DIGITAL |
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FM/AM 受信部の調整
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調整結果
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FM 受信部
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FM フロントエンドで大きなトラッキング調整ズレがありました。
再調整で感度が上がりました。
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PLL 検波部でかなり調整ズレがありました。
再調整で聴き違えるほど音が良くなりました。
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再調整で下のような良好な性能に蘇りました。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
59 |
63 |
dB |
| NARROW |
40 |
40 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.0047 |
% |
| stereo |
0.0089 |
% |
| NARROW |
mono |
0.22 |
% |
| stereo |
0.22 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-72 |
-70 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 |
WIDE |
mono |
0 |
+0.25 |
dB |
| CAL TONE 信号 |
WIDE |
mono |
419.9 |
Hz |
| -5.4 |
dB |
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AM 受信部
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[純正 AM ループアンテナ] で最高感度になるように調整しました。
使ってみました
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今回の修理の感想
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調整ズレがあったものの全体的には良い状態を保っており、再調整しやすかったです。
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全体的にブラック基調のデザイン
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フロントパネルはアルミ材で、ヘアライン仕上げです。
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FM 受信
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感度も S/N も一級品です。
微弱電波もしっかり捉えます。
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解像度がある素晴らしい音。
現代の安物チューナーとは全く異次元の音です。
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AM 受信
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感度は良いです。
ループアンテナでしっかり入感します。