部位 |
部品番号 |
交換前 |
交換後 |
FE |
C113 |
10uF/50V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C124 |
330uF/16V (85℃) |
330uF/25V (105℃) |
C162 |
10uF/50V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
IF |
C244 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (積セラ) |
C254 |
2.2uF/50V (85℃) |
1uF/50V (積セラ) |
C255 |
2.2uF/50V (85℃) |
C258 |
470uF/25V (85℃) |
470uF/25V (105℃) |
C263 |
0.1uF/50V (85℃) |
0.1uF/50V (積セラ) |
DET |
C275 |
47uF/25V (85℃) |
47uF/35V (105℃) |
C277 |
1000uF/25V (85℃) |
1000uF/25V (105℃) |
C279 |
330uF/25V (85℃) |
330uF/25V (105℃) |
C287 |
330uF/25V (85℃) |
330uF/25V (105℃) |
C289 |
330uF/25V (85℃) |
330uF/25V (105℃) |
MPX |
C301 |
0.47uF/50V (85℃) |
0.47uF/50V (積セラ) |
C302 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (積セラ) |
C304 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (積セラ) |
C305 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (積セラ) |
C307 |
0.47uF/50V (85℃) |
0.47uF/50V (積セラ) |
C310 |
0.33uF/50V (85℃) |
0.33uF/50V (積セラ) |
C311 |
0.1uF/50V (85℃) |
0.1uF/50V (積セラ) |
C312 |
0.47uF/50V (85℃) |
0.47uF/50V (積セラ) |
C317 |
470uF/10V (85℃) |
470uF/25V (105℃) |
C318 |
470uF/25V (85℃) |
470uF/25V (105℃) |
C321 |
100uF/25V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C322 |
100uF/25V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C323 |
330uF/25V (85℃) |
330uF/25V (105℃) |
C324 |
22uF/63V (85℃) |
22uF/50V (FG) |
C325 |
22uF/63V (85℃) |
22uF/50V (FG) |
C327 |
10uF/50V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C330 |
100uF/63V (85℃) |
100uF/63V (FG) |
C331 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (積セラ) |
部位 |
部品番号 |
交換前 |
交換後 |
AM |
C401 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (積セラ) |
C405 |
47uF/16V (85℃) |
47uF/35V (105℃) |
C410 |
3.3uF/50V (85℃) |
3.3uF/50V (105℃) |
C411 |
100uF/16V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C413 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (積セラ) |
C414 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (積セラ) |
C415 |
4.7uF/50V (85℃) |
4.7uF/50V (105℃) |
C421 |
0.47uF/50V (85℃) |
0.47uF/50V (積セラ) |
PLL |
C511 |
10uF/50V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C512 |
10uF/50V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C516 |
220uF/35V (85℃) |
220uF/35V (105℃) |
C521 |
10uF/50V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
C522 |
3.3uF/50V (85℃) |
3.3uF/50V (105℃) |
C523 |
0.68uF/50V (85℃) |
0.68uF/50V (積セラ) |
C524 |
0.1uF/50V (85℃) |
0.1uF/50V (積セラ) |
CONT |
C601 |
3.3uF/50V (85℃) |
3.3uF/50V (105℃) |
C604 |
10uF/6.3V (タンタル) |
10uF/25V (積セラ) |
C605 |
0.1F/5.5V (電気二重層) |
1F/5.5V (電気二重層) |
PS |
C905 |
2200uF/63V (85℃) |
(未交換) |
C906 |
100uF/25V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C907 |
1000uF/63V (85℃) |
1000uF/63V (105℃) |
C915 |
470uF/35V (85℃) |
470uF/35V (105℃) |
C916 |
47uF/16V (85℃) |
47uF/35V (105℃) |
C917 |
100uF/16V (85℃) |
100uF/25V (105℃) |
C922 |
330uF/50V (85℃) |
330uF/63V (105℃) |
C923 |
47uF/50V (85℃) |
47uF/63V (105℃) |
C924 |
47uF/50V (85℃) |
47uF/63V (105℃) |
C932 |
330uF/50V (85℃) |
330uF/63V (105℃) |
C933 |
47uF/35V (85℃) |
47uF/35V (105℃) |
C934 |
47uF/35V (85℃) |
47uF/35V (105℃) |
交換完了
-
左の写真は電解コンデンサ交換後の一部分です。
-
積層セラミックコンデンサにした部分はスッキリしました。
水色の部品です。
-
電解コンデンサが小指の爪ほどの大きさに対し、積層セラミックコンデンサは米粒ほどの大きさです。
-
右の写真はこれまで基板に実装されていた古い電解コンデンサです。
交換作業で気が付いたこと
-
基板で電源回路部分が茶色くなっています。
-
これだけならよいのですが、トランジスタの発熱で基板のパターンが弱くなっています。
リペア (その4):電源部の補修 (放熱対策を含む)
-
概要
-
「リペア (その3)」に述べたように電源部分の基板パターンが剥がれかかっているのと、発熱の問題があります。
-
この ST-S333ESG は修理後24時間365日稼働で何年も連続通電すると聞いています。
-
こうであると、何らかの対策をしないと連続運転に耐えられません。
-
原因
-
1W 型パワートランスタ [Q921] 2SD774 と [Q931] 2SB734 の発熱が物凄く、手で触れられない高熱です。
-
この発熱で基板のパターンが弱くなったのが原因です。
発熱がどこに逃げるかというと、主にリード足からです。
-
リード足は基板にハンダ付けされているので、熱がパターンに伝導します。
-
パターンというのは接着剤で基板に貼り付いています。
長時間高熱に晒されたので、この接着が弱くなったのです。
-
[Q921] [Q931] を触るとグラグラしています。
このまま使うといずれパターンが破断します。
-
対策
-
基板のパターンは直せないので、[Q921] [Q931] を別のトランジスタに交換して別位置に実装するしかないです。
-
トランジスタを交換するなら、もっと大電力のパワートランジスタに交換したほうが安心です。
-
トランジスタの実装位置を変えるなら、熱を放熱できる場所に設置したほうがよいです。
-
交換リスト
部品番号 |
交換前 |
交換後 |
備考 |
Q921 |
2SD774 |
2SD2012 |
コレクタ損失 1W→25W の大電力型とした コレクタが絶縁型なので放熱板と絶縁が不要 |
Q931 |
2SB734 |
2SB1375 |
-
電源部の近くにシャーシのステーがあったので、左の写真のように取り付け、シャーシに発熱を逃がしました。
-
ステーに直径 3.2mm の穴を開け、放熱グリスを塗布し、M3 スプリングワッシャ付きネジで留めています。
-
弱った基板のパターンは諦め、写真のように電線で配線することより解決しました。
-
25W 型パワートランジスタ使用とシャーシに放熱したことより、手で触っても発熱は僅かです。
-
「リペア (その1)」で電解コンデンサが故障したのは発熱が原因だった訳で、対策後は信頼性が大きく上がりました。
-
右の写真は、これまで実装されていた古いトランジスタです。
-
リード足が短くカットされています。
リード足から放熱するので、もっと長く残すべきです。
-
通常、ここまでの手数のかかる大掛かりな修理はしないです。
今回はあまりにも悲惨な状態だったので、特別です。
リペア (その5):ハンダクラック対策
-
ST-S333ES シリーズにはハンダクラックしやすい箇所があるという持病がある
-
左の写真はリアパネルの端子類の裏側です。
長いリードが基板に直接ハンダ付けされています。
-
このハンダ付け部分には [リアパネル] [基板] の2方向から常にストレスを受けるのでハンダクラックしやすいのです。
-
右の写真のように基板上に細長い銅板が何枚も走っていますが、これがアースバーです。
電源ラインにも使っていますがアースバーと呼ぶ。
-
アースバーのハンダ付け部分もハンンダクラックしやすいです。
なぜなら、基板とアースバーの熱膨張率が違うからです。
-
修理
-
リアパネルにある [FM アンテナ端子] [AM アンテナ端子] [RCA 出力端子] のハンダ付け部を補修ハンダ付けしました。
-
8枚ある全ての [アースバー] のハンダ付け部を補修ハンダ付けしました。
-
補修ハンダ付けは、古いハンダを吸引して除去し、新しいハンダを付けるのが正しいやり方です。
リペア (その6):その他
-
[PROGRAM] ノブがない
-
中古ですが、手持ちの ST-S333ESG 純正ノブを補充取り付けしました。
-
フロントパネルと [TUNING] ノブに粘着テープの剥がし跡がある
-
[シール剥がし液] [無水アルコール] [カーボンヘラ] を使って、できるだけ除去しました。
-
腐食がある部分は直りませんが、ほぼわからない程度には補修できました。
-
フロントパネル内の清掃
-
フロントパネルを外してみると、ディスプレイの透明板の裏側にビッシリとスス状のゴミが付着していました。
-
透明板を清掃してディスプレイのコントラストが上がりました。
その他の部分のゴミも除去しました。
再調整
-
電源電圧チェック (VP)
-
実測値は以下のように良好です。
電源部修理後の測定値です。
VP |
表示電圧 |
実測電圧 |
判定 |
備考 |
JW88 |
+30V |
+31.3V |
〇 |
PLL |
JW89 |
+15V |
+14.9V |
〇 |
AUDIO |
JW145 |
-17V |
-17.2V |
〇 |
FL |
JW213 |
+13V |
+13.6V |
〇 |
DIGITAL |
JW220 |
+5V |
+5.68V |
〇 |
DIGITAL |
-
FM/AM 受信部の調整
-
調整結果
-
FM 受信部
-
PLL 検波調整が大きくズレていました。
再調整で規定内に入りました。
-
ステレオセパレーションと高調波歪率はやや落ちていましたが、再調整で改善して音の解像度が良くなりました。
項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
65 |
70 |
dB |
NARROW |
34 |
38 |
dB |
高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.014 |
% |
stereo |
0.023 |
% |
NARROW |
mono |
0.11 |
% |
stereo |
0.11 |
% |
パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-72 |
-79 |
dB |
オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0 |
0 |
dB |
CAL TONE 信号 |
WIDE |
mono |
328.1 |
Hz |
-4.4 |
dB |
-
AM 受信部
-
[純正 AM ループアンテナ] が添付されていなかったので、IF 調整だけしました。
使ってみました
-
修理&再調整が終わって
-
到着時には音が出なかったのですが、完全に直って良い音に蘇って良かったです。
-
手持ちの [RM-J300] 専用リモコンでの操作も良好でした。
-
ワイド FM 対応クリコン
でのワイド FM 受信も良好でした。
-
ST-S333ESG はアンテナ端子が2つあるので、ワイド FM 受信に便利です。
-
全体的にブラック基調のデザイン
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SONY デザインはやはり格好イイです。
-
デザインが良くて性能も良い、持つべき価値があります。
-
フロントパネルはアルミ材で、ヘアライン仕上げです。
-
FM 受信
-
感度も S/N も一級品です。
微弱電波もしっかり捉えます。
-
解像度がある素晴らしい音。
現代の安物チューナーとは全く異次元の音です。
-
AM 受信
-
感度は良いです。
ループアンテナでしっかり入感します。
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