SONY ST-S333ESXⅡ (8号機) をゲット!
2023年5月31日、茨城県結城市の Y さんより
SONY ST-S333ESXⅡ
を研究用に寄贈していただきました。
長らく手が空きませんでしたが、やっと2024年2月に修理&再調整しました。
程度&動作チェック
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修理依頼者からのコメント
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私の耳では問題を感じない ST-S333ESXⅡを寄贈します。
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外観
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製造シリアル番号は [200143] で、電源コードの製造マーキングより [1987年製造品] とわかりました。
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[純正 AM ループアンテナ] は添付されていませんでした。
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フロントパネルは以下の点を除いて綺麗です。
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フロントパネルのディスプレイ部の透明アクリル板の右から1/3くらいの箇所に薄いスレがあります。
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[TUNING] ノブにポツポツしたキズがあります。
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リアパネルの状態は良好です。
RCA 端子に輝きが残っています。
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天板の手前側で左から1/3くらいの箇所にヘコミ修理跡が見えます。
醜くはなく、仕方ないかなと思える程度です。
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底板は問題なく綺麗なほうです。
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サイドウッドは正面から見た状態は非常に綺麗ですが、以下の欠けがあります。
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左サイドウッドの一番奥の一番下の箇所の化粧板が欠けています。
15×4mm 程度の欠けです。
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右サイドウッドの奥から1/4くらいの一番下の箇所の化粧板が欠けています。
13×1.5mm 程度の小さい欠けです。
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いずれも正面からは見えず、ラックに入れれば全く見えない部分なので諦めかな。
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電源 ON してチェック
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電源は正常に入り、FL 表示器の輝度は新品同様で、操作ボタンの動作も正常で問題ありません。
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FM 受信
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S メータが振れ音が出るのですが、[SST] ランプが不規則に点滅し [STEREO] 表示が出ません。
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AM 受信
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[純正 AM ループアンテナ] の添付がなかったので [ST-SA5ES 純正 AM ループアンテナ] を接続してチェックしました。
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受信は良好で感度も良いです。
特に問題ないです。
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カバーを開けてチェック
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内部は非常に綺麗でゴミが全く見当たりません。
すごく状態が良いです。
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基板は綺麗です。
電解コンデンサの膨張や液漏れは見られません。
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[C604] 10uF/6.3V タンタルコンデンサは短絡事故をおこしやすいので、別のコンデンサに交換します。
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[C605] 39mF/5.5V 電気二重層コンデンサは綺麗ですが、そろそろ交換時期です。
ST-S333ESG 以降の機種と比べて
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ST-S333ESXⅡは ST-S333ESG 以降の機種と回路的にほぼ同じですが、以下の構造的な違いがあります
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リアパネルの端子とはワイヤ接続になっており、この部分でハンダクラックすることはないです。
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C リングパネルがないので直接的な操作ができ、ST-S333ESXⅡのほうが良いです。
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プリセットボタンは自照式でシッカリした重厚な機構で、ST-S333ESXⅡのほうが良いです。
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以上のように、ST-S333ESG 以降の機種より ST-S333ESXⅡのほうがお金がかかっています
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作りは ST-S333ESG 以降の機種のほうがコストダウンしているのです。
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中古価格は ST-S333ESXⅡのほうが安いので穴場的チューナです。
リペア (その1):フロントパネルの補修
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ディスプレイ部の透明アクリル板の右から1/3くらいの箇所に薄いスレがある
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スレの部分を無水アルコールで拭いたらスレが半分くらいになりました。
ごく軽いスレとわかりました。
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ごく軽いスレなら
ポリマール・プラスチックみがきクロス
が有効です。
軽く磨いてスレはほぼ見えなくなりました。
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[TUNING] ノブにポツポツしたキズがある
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キズの部分を無水アルコールで拭いたら消えました。
キズではなく汚れだったようです。
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スッとした僅かなスレは消えませんでしたが、目立たないです。
リペア (リペア2):FM 受信で [SST] ランプが不規則に点滅し [STEREO] 表示が出ない
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原因
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修理
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同調点調整で [IFT205] を調整したら直りました。
[SST] [STEREO] いずれも点灯するようになりました。
リペア (その3):[電気二重層コンデンサ] [タンタルコンデンサ] 交換
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交換リスト
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下の表のように交換します。
| 部品番号 |
交換前 |
交換後 |
備考 |
| C604 |
10uF/6.3V (タンタルコンデンサ) |
10uF/25V (積層セラミックコンデンサ) |
タンタルよりセラミックのほうが ESR が低く優秀 |
| C605 |
39mF/5.5V |
1F/5.5V |
電気二重層コンデンサ |
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交換前後の記録
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左の写真は交換前で小さい赤〇で囲んだのが [C604]、大きい赤〇で囲んだのが [C605] です。
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右の写真は交換後です。
[C605] は容量が増えたのに、逆に劇的に小さくなりました。
技術の進化です。

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[C605] は [POWER] スイッチ OFF の時にプリセットメモリをバックアップします。
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取扱説明書
の10ページにバックアップ時間は (39mF の時で) 1ヶ月と書かれています。
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39mF → 1F と26倍の容量になったので計算上は26ヶ月になるはずです。
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でも自己放電もあるので、実際には数ヶ月と思います。
リペア (その4):ハンダクラック予防補修
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ハンダクラックが発生しやすい箇所
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ST-S333ESXⅡではアースバーのハンダ付け部分でハンダクラックが発生しやすいです。
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ST-S333ESG 以降の機種と違って、リアパネルの端子類はワイヤ接続になっているので、ここではハンダクラックしません。
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予防補修
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アースバーのハンダ付け部分を補修ハンダ付けしました。
これで安心して使えます。
リペア (その5):その他
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フロントパネル内の清掃
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フロントパネルを外して内部のホコリを除去しました。
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基板の清掃
再調整
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電圧チェック (VP)
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電圧の実測値は以下のように正常でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
備考 |
| JP4 |
+16V |
+15.2V |
チューナ用 |
| JP5 |
+13V |
+13.1V |
FL 管用 |
| JP6 |
+5.6V |
+5.53V |
デジタル用 (MCU) |
| JP7 |
+30V |
+31.2V |
VT 電圧用 |
| R909(R) |
-10V |
-9.78V |
コントロール用 |
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FM/AM 受信部の調整
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調整結果
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FM 受信
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全般的に調整ズレがありましたが、全て規定内に入りました。
再調整後は素晴らしく良い音になりました。
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ステレオセパレーションなどは以下のように素晴らしい数値になりました。
一級クラスの性能です。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
67 |
65 |
dB |
| NARROW |
33 |
34 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.013 |
% |
| stereo |
0.021 |
% |
| NARROW |
mono |
0.36 |
% |
| stereo |
0.36 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-72 |
-73 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 |
WIDE |
mono |
0 |
-0.02 |
dB |
| CAL TONE |
WIDE |
mono |
656.8 |
Hz |
| -8.5 |
dB |
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AM 受信
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当方で標準にしている [ST-SA5ES 純正 AM ループアンテナ] を接続して調整しました。
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感度がグ~ンと上がり、S/N 良く受信できるようになりました。
使ってみました
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修理&再調整が終わって
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寄贈者で気が付いていなかった不具合などがありましたが、完全に蘇ってよかったです。
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やはり ST-S333ESXⅡは優秀機です。
性能も音も良いです。
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デザイン
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精悍なデザインで使いやすいです。
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後継機の
ST-S333ESG
よりシンプルなデザインですが、むしろこちらのほうが使いやすいです。
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(C リングパネルがないので) 直接的な快適ボタン操作ができます。
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感度と音質
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FM の感度は抜群に良く、S/N が良いです。
細かい音がよく聴けます。
FM 放送らしい柔らかめの音質です。
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AM の感度も抜群に良く、S/N も良いです。
AM としては音質も良く、放送を楽しめます。