SONY ST-SA5ES (4号機) がやってきた!
2013年5月12日、沖縄の T さんに
SONY ST-SA5ES
の故障品を借用しました。
程度&動作チェック
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外観
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電源ケーブルの製造マーキングより [1997年製造品] とわかりました。
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電源 ON してチェック
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FM 受信で S メータが全く振れません。
MUTING OFF でも全く受信できません。
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AM は問題なく受信できます。
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カバーを開けてチェック
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[CT101] [CT102] [CT103] のトリマコンデンサにサビが見えます。
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[C605] の電気二重層コンデンサ (0.1F 5.5V) にサビが見えます。
リペア (その1):FM が全く受信できない
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調査と原因
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VT 電圧は FM 受信周波数と共に正常に変化します。
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こうなると、FM フロントエンドや IF 各段のいずれかの電源ダウンが推定されます。
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それぞれに電圧が加圧されているかは、その段の IC や FET に手を触れてみれば大体判ります。
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素子が熱を持っていれば加圧されている。
冷たいと加圧されていない可能性がある。
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ゴッドハンド
で各所を触れた結果、FM フロントエンドの RF 段の FET が冷たい。
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更に調査して、FM フロントエンドの RF 段に電源を供給する L108 (100uH) の断線が原因と判明しました。
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修理
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L108 の代替の手持ちがなかったので、10Ω抵抗器に交換しました。
回路的には問題ないです。
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これで S メータがフルまで振れるようになり、正常にステレオ受信できるようになりました。
直りました!!!
リペア (その2):トリマコンデンサと電気二重層コンデンサを交換
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[CT101] [CT102] [CT103] のトリマコンデンサ交換
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[C605] 電気二重層コンデンサ交換
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[0.1F/5.5V]→[0.22F/5.5V] に交換しました。
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理論上はオリジナルよりプリセットメモリが倍以上バックアップされるはずです。
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右の写真は [リペア (その1)] [リペア (その2)] で交換した部品です
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交換前に基板に実装されていた部品です。
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青いのが電気二重層コンデンサ、茶色いのがトリマコンデンサ、残ったのはコイルです。
再調整
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電源電圧チェック (VP)
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実測値は以下のように良好でした。
| ジャンパー |
表示電圧 |
標準電圧 |
実測電圧 |
判定 |
備考 |
| JW88 |
+30V |
+30.9V |
+30.8V |
〇 |
VT 電源 |
| JW89 |
+15V |
+16.3V |
+14.9V |
〇 |
アナログ系 |
| JW145 |
-17V |
-17.5V |
-17.8V |
〇 |
FL |
| JW213 |
+13V |
+13.6V |
+13.1V |
〇 |
デジタル系 |
| JW220 |
+5V |
+5.6V |
+5.6V |
〇 |
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FM/AM 受信部の調整
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調整結果
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感度や音質が上がり ST-SA5ES 本来の艶っぽい音が蘇りました。
何度聴いても ST-SA5ES の音は一流です。
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再調整結果は以下です。
素晴らしく良好な数値です。
| 項目 |
IF BAND |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション |
WIDE |
65 |
76 |
dB |
| ステレオセパレーション |
NARROW |
41 |
40 |
dB |
| パイロット信号キャリアリーク |
- |
-71 |
-75 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (MONO) |
- |
0 |
0 |
dB |
| CAL TONE 信号 |
- |
433.6Hz
-6.3 |
433.6Hz
-6.4 |
dB |
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[ST-S333ESG] [ST-S333ESA] [ST-S333ESJ] [ST-SA5ES] の FM 受信部の回路は全く同じ
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しかし、一番音が良いのは ST-SA5ES です。
おそらく、使っている電解コンデンサのグレードが良いのでしょう。
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ST-SA5ES に続く音の良い機種は ST-S333ESG と思います。