TRIO KT-7300

TRIO KT-7300 が到着

2024年8月21日、東京都町田市の Y さんから [TRIO KT-7300] の再調整依頼品が到着しました。

この写真は照明を LED 化した後です。

ウォームホワイト色 LED を使ったので元の雰囲気を残したままハッキリ・クッキリの美しい表示になりました!



程度&動作チェック

  1. 依頼者のコメント

  2. 外観

  3. 電源 ON してチェック

  4. カバーを開けてチェック



カバーを開けてみました

  1. 全体の作りはかなり良いです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. FM フロントエンド

  3. FM IF 部

  4. FM 検波部

  5. FM MPX 部

  6. AM 受信部



リペア (その1):電源部の電解コンデンサを全数交換

  1. 概要

  2. 部品交換リスト

  3. 交換実施



リペア (その2):照明の LED 化 ・・・ 修理依頼者の要求

  1. 概要

  2. LED 照明回路

  3. 使用 LED

  4. テープ LED の取り付け状態

  5. LED 化完成



リペア (その3):マイグレーション予防対策

  1. 概要

  2. 対策



リペア (その4):バリコン軸の接触回復

  1. 概要

  2. 回復作業

    1. エレクトロニッククリーナ を軸受けに噴射し何度もバリコン羽を動かすと緑青サビが湧き出てきます。

    2. 湧き出た緑青サビを 爪楊枝/歯間ブラシ/歯間糸楊枝 を使って丹念に落とします。

    3. [1] と [2] を何度も何度も繰り返します。

    4. 接点復活スプレー を軸受けに少量吹きかけ馴染ませます。

    5. 仕上げに、軸受けにリチウムグリスを塗布して防錆処置します。

  3. 作業結果



リペア (その5):その他

  1. ダイヤルスケールの内側に汚れ (カビ?) やゴミがある

  2. [tuning] ノブのネジが緩んでいる



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント



  2. 電源電圧チェッックポイント (VP)

    VP 標準値 実測値 判定
    [Qb8]-E +13.4V +13.5V
    [Db18]-A -14V -14.0V

  3. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 KT-7300 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - IF band : narrow
    muting : off
    selector : auto
    VRb1
    VRb2
    どちらも中点にする 調整準備
    2 88MHz 90dB
    mono 1kHz
    指針を88MHz 付近で高調波歪最小位置に合わせる 同調点仮調整
    3 指針は手順2から
    動かさない
    Lb8 (下) T メータ = センタ
    4 指針を 88MHz に
    合わせる
    [FE]
    CT5
    T メータ = センタ OSC トラッキング調整
    指針をダイヤルに合わせるのが目的
    5 78MHz 40dB
    無変調
    78MHz 受信 [FE]
    T2
    T3
    T4
    S メータ = 最大 RF トラッキング調整
    6 88MHz 40dB
    無変調
    88MHz 受信 [FE]
    CT1
    CT2
    CT3
    CT4
    7 手順5〜6を数回繰り返す
    8 83MHz 40dB
    無変調
    83MHz 受信 [FE]
    T5
    S メータ = 最大 narrow IF 調整
    Lb4
    9 83MHz 受信
    IF band : wide
    Lb3 wide IF 調整
    10 83MHz 16dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信
    IF band : narrow
    muting : on
    VRb2 MUTING = ON/OFF 閾 MUTING レベル調整
    (NARROW IF GAIN)
    11 83MHz 受信
    IF band : wide
    VRb1 MUTING レベル調整
    (WIDE IF GAIN)
    12 83MHz 90dB
    mono 1kHz
    Lb8 (上) オーディオ出力 = 高調波歪最小 QR 検波調整
    13 Lb8 (下) T メータ = センタ
    14 手順12〜13を数回繰り返す
    15 83MHz 60dB
    無変調
    83MHz 受信 VRb3 S メータ = 5 S メータ調整
    16 83MHz 90dB
    stereo 1kHz L+R
    83MHz 受信 VRb4 以下の [VCO 調整手順] を参照 VCO 調整
    17 83MHz 90dB
    stereo 1kHz R/L
    83MHz 受信
    IF band : narrow
    VRb5 オーディオ出力 (L/R) = 最小 narrow
    セパレーション調整
    18 83MHz 受信
    IF band : wide
    VRb6 wide
    セパレーション調整

  4. AM 受信部の調整

    手順 SSG出力 KT-7300 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - selector : AM - -  
    2 600kHz 60dB
    無変調
    600kHz 受信 Lb11 S メータ = 最大 OSC トラッキング調整
    3 1400kHz 60dB
    無変調
    1400kHz 受信 CT7
    4 手順2〜3を数回繰り返す
    5 600kHz 40dB
    無変調
    600kHz 受信 バーアンテナ
    のコア
    S メータ = 最大 RF トラッキング調整
    6 1400kHz 40dB
    無変調
    1400kHz 受信 CT6
    7 手順5〜6を数回繰り返す
    8 1000kHz 40dB
    無変調
    1000kHz 受信 CFb6 S メータ = 最大 IF 調整

  5. 調整結果



使ってみました

  1. デザイン

  2. 端子類

  3. 感度や音質



仕様ほか

  1. ドキュメント

  2. 仕様