TRiO KT-990 (3号機) が到着
2024年4月9日、北海道北広島市の A さんより
TRiO KT-990
の修理&再調整依頼品が到着しました。
パルスカウント検波
が特長のチューナです。
この写真は照明 LED 化後です。
程度&動作チェック
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修理依頼者のコメント
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ネットで入手しました中古の TRIO KT-990 です。
FM の周波数が 4MHz ほど低い方にずれています。
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外観
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製造シリアル番号は [30402262] で、電源コードの製造マーキングより [1982年製造品] とわかりました。
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全体的には綺麗な逸品です。
純正ではありませんが [AM ループアンテナ] が添付されていました。
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[TUNING] ノブがグラグラしています。
軸受のネジが外れているようです。
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リアパネルの端子類には輝きが残っていて状態は良いです。
底板も綺麗です。
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電源 ON してチェック
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周波数ダイヤルの照明ランプが切れていて周波数が見えません。
これ以外のランプ切れはありません。
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FM 受信
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-3.5~4MHz の周波数ズレがあり、79.5MHz の放送が 76MHz 辺りで受信します。
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周波数ズレはありますが、S メータが振れ、[STEREO] ランプも点灯して良い音が出ています。
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ただし、しばらくすると T メータがズレて音が出なくなると、なぜか不安定です。
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AM 受信
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添付された AM ループアンテナで感度よく受信できます。
特に問題なさそうです。
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カバーを開けてチェック
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なんと! FM 2連バリコン式に改造されている!!!
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左の写真はその改造部です。
長い黄緑色電線でバリコン端子とアンテナ端子を接続しています。
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よくこれで動くものだ ・・・ って感心している場合じゃないです。
なぜ?改造したのだろう???
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右の写真のようにバリコンギア機構のプーリー軸が外れかかっています。
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写真の赤〇の所の軸に隙間が見えますが、この隙間がないのが正しいです。
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隙間がもっと広がるとプーリー軸が脱落してギア機構がバラバラになって修理不能に陥ります。

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更にこのバリコンには、左の写真の赤〇で示した軸とアースプレートに緑青サビが出ています。
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アースプレートが軸に当たる部分に緑色が見えますが、これが緑青サビです。
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回すとガソゴソ雑音が出たり、感度低下が発生します。
他の軸も同様でした。
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フロントパネルの左側を内部で留めるプラスチックが割れて取れそうになっています。
(右の写真)
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フロントパネルの右側を内部で留めるプラスチックは完全に割れていました。
さて、どうしよう ・・・

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以上の観察より、「本機はバリコン周りの不具合が多い」とわかりました。
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基板自体は綺麗で裏側には手を入れられた形跡はなく、2連→4連バリコン式への復活はできそうな気がします。
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いずれにせよ、修復する箇所が多く前途多難です。
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修理依頼者に状況を連絡し、このまま修理を進めるか確認したら「どうしても修理してほしい」とのことでした。
リペア (その1):2連→4連バリコン式に戻す
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改造状況調査
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基板の表側で3段目 RF バリコンから長い黄緑色電線でアンテナ端子に接続しています。
元のアンテナ線も一緒に接続されています。
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基板の裏側も調べましたが、特に改造跡はなく上記の改造だけのようです。
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修理 (元に戻す)
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長い黄緑色電線を外しました。
RF 増幅回路も動作しており、特に問題なく4連バリコン式に復活しました。
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2連バリコン式ってラジオ並みです。
オーディオ FM チューナなら最低でも3連必要です。
4連あれば合格です。
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何を思ってこんな改造をしていたのか謎です。
リペア (その2):[TUNING] ノブがグラグラしている
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原因
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右の写真に写っている六角ナットが完全に緩んでいました。
これが原因です。
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普通、ここは緩むことはないです。
人為的に緩めたと思います。
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おそらく、誰かがランプ交換しようと緩めて締め忘れたのだと想像します。
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この機種は周波数ダイヤル照明ランプは面倒な箇所にあり、フロントパネルをバラバラに分解しないと交換できないのです。
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修理
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写真の六角ナットを締め付けて直りました。
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グラグラはなくなり、同調操作でのバックラッシュもなく良好になりました。
リペア (その3):フロントパネルを内部で留めるプラスチックが破損している
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原因
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プラスチックが経年変化でもろくなったのと、おそらく、アンプのような重い機器を重ね置きしたと想像します。
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KT-990 のフロントパネルの上側を留めるプラスチックは薄いので、荷重がかかると割れてしまいます。
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修理
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割れたプラスチックの修理は無理なので、新たに銅板で留め金具を製作して修理しました。
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金具を作るにしてもスペース余裕のない箇所に無理矢理入れる必要があります。
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薄くて強度のある、そして加工しやすい素材が必要です。
そこで考え抜いた結果、銅板に行きつきました。
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下の写真は挿入した銅板金具の表と裏の取付状態です。
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厚み 0.25mm の銅板を 25×37mm に切り出し、元の取付ネジ穴と合う位置に直径 3.2mm の穴を開けます。
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G17 ボンドで銅板をネジ穴に合う位置に接着します。
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天板に穴を開けて結合したほうが強度が出るのですが、天板に不細工なネジが見えるのはイヤでしょ。
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すなわち、取付強度は G17 ボンド接着によります。
そう過大な重量には耐えられないです。
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割れたプラスチックは銅板上に接着していますが、これは取付強度に関しては何の役にも立っていません。
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元の取付位置を示す指標として貼り付けただけです。
飾りみたいなものです。
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写真は右側の銅板金具ですが、左側にももう1枚の銅板金具があります。
全部で2枚 (2箇所) です。

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G17 ボンドがしっかり接着してくれるまで半日以上かかるので時間がかかる作業でした。
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完成後はフロントパネルの上部固定がしっかりとできることを確認しました。
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繰り返しますが、
天板の上に重量物を重ね設置禁止!!!
リペア (その4):FM で -3.5~4MHz の周波数ズレがある
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原因
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OSC トリマコンデンサが劣化して容量抜けしたのが原因です。
回してみても容量が全く変わりませんでした。
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修理
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トリマコンデンサを交換して直りました。
左の写真は交換後で、黄〇で囲んだ部品です。
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交換に使ったトリマコンデンサはセラミック型で容量 10pF です。
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基板の裏に開いている小さい穴からアクセスしたので、けっこう大変でした。
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右の写真は、元の故障したトリマコンデンサです。
バリコンでいう羽の部分が腐食して故障していました。

リペア (その5):照明 LED 化
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概要
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KT-990 にはフィラメントランプが使われているのは3箇所です。
この箇所以外は既に LED になっています。
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3箇所とは [ダイヤル照明]×2個、[ダイヤル指針] [SERVO LOCK] です。
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特に本機はダイヤル指針用のランプが2個とも切れており、受信周波数の把握ができません。
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受信周波数の把握ができないと再調整作業にも入れません。
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使用する LED
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左の写真のウォームホワイト高輝度テープ LED を [ダイヤル照明] に使います。
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LED はフィラメントランプと違って正面にしか光が出ません。
しかも取付場所は非常に狭いのです。
テープ LED が正解です。
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テープ LED は単位ごとに切って使えます。
単位ごとに LED×3個 です。
テープ幅は 10mm です。
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右の写真の 3mm 砲弾型ピュアグリーン高輝度 LED を [ダイヤル指針] と [SERVO LOCK] ランプに使います。

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LED 照明回路
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右の回路で [ダイヤル照明] [ダイヤル指針] を LED 化します。
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LED は DC 駆動する必要があります。
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既にある電源回路の [C101] の両端から電源を取ります。
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取り出す電流は 5.3mA と僅かなので KT-990 の動作に影響はありません。
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テープ LED は1単位でも明るさは十分ですが、[C101] の両端の電圧が 20V 以上あるので、電力を無駄にしないため、1単位のものを2個直列にします。
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こういう使い方ができるのでテープ LED は使い勝手が良いです。
テープ LED の1単位は 9V 以上あれば発光します。
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フィラメントランプの時は 2.2W 電力消費していましたが、LED にすると明るくなったのに 0.1W と激減します。
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下の回路で [SERVO LOCK] ランプを LED 化します。
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ここは既に DC 駆動だったので、LED に合うよう抵抗の定数を変更します。
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プレヒート用の [R116] は LED では不要なので取り外します。
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電流制限用の [R118] は 10kΩ に変更します。
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フィラメントランプの時は 0.1W 電力消費していましたが、LED にすると明るくなったのに 0.008W と激減します。

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LED 化後の様子
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左の写真はオリジナルのダイヤル照明ランプの実装状態です。
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ランプ交換するまでにフロントパネルをここまでバラバラにする必要があって超大変です。
設計不良じゃないかと思えるくらい。
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フィラメントランプ×2個とその配線を全部除去しました。
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右の写真はこれから取り付けるテープ LED で、事前に写真のように加工しました。

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左の写真は取付が終わったテープ LED です。
G17 ボンドで接着するので、乾くまで次の作業に移れず時間がかかりました。
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右の写真は取付が終わった指針 LED です。
LED は正面にしか光が出ないので、リード足を加工して指針に向くようにしました。

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左の写真に見える大きなボックスの中に [SERVO LOCK] 表示用 LED が入っています。
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この表示は横幅が 45mm もあって、LED の照射角30度では足らず、光拡散キャップを被せて60度くらいに広げています。
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右の写真のように、基板の裏側で電流制限抵抗の [1kΩ] [10kΩ] を取り付けています。
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LED には定格電流の 1/30 も流していないので、抵抗を交換することで輝度はいくらでも変更可能です。
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なお、ここで電線を束ねていますが、これはフロントパネルを取り外すなどのメンテンスを容易にするためです。

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LED 化完成
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こんな感じに美しい表示なりました。
写真より実際のほうがもっと美しいです。

リペア (その6):しばらくすると T メータがズレて音が出なくなる
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調査
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これまで周波数ダイヤルがランプ切れで見えなかったので、調査を後回しにしていました。
ズレかたが定量的に把握できないので。
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音が出なくなるのは T メータがズレて受信範囲外になるためで、根本的には T メータがズレるのがおかしいのです。
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よく観察すると、AFC (SERVO LOCK) 回路が全然動作してないとわかりました。
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同調を少しズラしたところで [TUNING] ノブから手を離すとサーボロックして T メータがセンタに戻るはずが戻らないのです。
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左の写真で赤矢印で示したピンが FM フロントエンドの AFC 入力です。
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いかにもちゃんとハンダ付けされて問題ないように見えます。
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ところが、同じパターン上の黄矢印で示したハンダ付け部と導通がないのです。
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原因はパターンクラックです。
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パターンクラックで FM フロントエンドの AFC 入力がどこにも接続されていない、浮いた状態になっていたのです。
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AFC 入力はインピーダンスが非常に高いです。
周りの静電気等の影響を受けてフラフラして動作不安定になっていたのです。
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AFC (SERVO LOCK) は受信動作を安定化させる機能ですが、これが誤動作して不安定になっていたのです。
まさに本末転倒!
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修理
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右の写真のように短い電線でパターンと接続したら非常に安定に受信できるようになりました。
直りました!!!

リペア (その7):バリコン軸とアースプレートに緑青サビが出ている
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サビは絶縁物なので接触不良となり、以下の現象が出ます
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周波数の低い辺りで指針を動かすとゴソゴソという雑音が出る。
感度が落ちたり、受信が不安定になったりする。
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以下のようにバリコン軸の接触回復作業をしました
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エレクトロニッククリーナ
を軸受けに噴射し何度もバリコン羽を動かすと緑青サビが湧き出てきます。
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湧き出た緑青サビを爪楊枝で丹念に落とします。
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[1] と [2] を何度も何度も繰り返します。
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軸受けに
接点復活スプレー
を塗布して何度もバリコン羽を動かして馴染ませます。。
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仕上げに、軸受けにリチウムグリスを塗布して防錆処置します。
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大量の緑青サビが除去できました
リペア (その8):バリコンギア機構のプーリー軸が外れかかっている
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古いチューナはこの故障が実に多い
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プーリー軸が外れ方向に隙間があるとバックラッシュが大きくなります。
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隙間がもっと広がるとプーリー軸が脱落してギアがバラバラに外れ、修理不能に陥ります。
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修理はバリコンメーカしかできないと思いますが、対応していません。
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別の対策をします。
要はプーリー軸を右側から押さえ込めばよいのです。
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修理
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左の写真を見てわかるように、プーリーの右側にくるのは天板カバーの右側面です。
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側板に直径 20mm 厚み 1.5mm 円形ベーク板を何枚か貼り付けて、側板側からプーリー軸を押さえ込みます。
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実験の結果、2枚重ねして 3mm 厚が合うとわかりました。
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プーリー軸の中心位置を測定して、側板右側に十字マーキングします。
これがミソ!
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[プーリー]~[側板] のクリアランスは 1.5mm 程度になります。
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プーリーはマクロ的には歪みながら回転するので、この程度が良いです。
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側板右の十字マーキングを見ながらとベーク板を貼り付けると中心位置が合うという巧妙なテクニックです。
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接着剤には G17 ボンドを使い、右の写真のように2枚重ねて貼り付けました。
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右の写真は完成後です。
カバーを取り付けるとベーク板がプーリーを左に押して正常位置を保ちます。

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完成後、カバー取り付け、期待通りにプーリー外れを防げ、同調ノブの動きもスムーズなことを確認しました。
リペア (その9):ハンダクラック予防補修
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ハンダクラックしやすい箇所
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写真は RCA 端子と基板裏でのそのハンダ付け部分です。
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黄色枠で囲んだ部分は、リアパネルと基板の2方向からストレスが掛かるのでハンダクラックしやすいです。

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写真は放熱器が取り付けられたパワートランジタ [Q22] と基板裏でのそのハンダ付け部分です。
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黄色枠で囲んだ部分は、放熱器と基板の2方向からストレスが掛かるのでハンダクラックしやすいです。

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修理 (ハンダクラック予防補修)
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[RCA 端子] [Q22] のハンダ付け部分を補修ハンダ付けしました。
やっと全てのリペアが完了
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ここまで長い道のりでした
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今回はボンド接着で補修する箇所が多く、乾くのに少なくとも半日はかかるので時間がかかりました。
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疲れました~~
再調整
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電圧チェック (VP)
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以下のように正常でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
| J151 |
+14V |
+13.8V |
〇 |
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FM/AM 受信部の調整
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調整結果
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FM 受信
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トリマコンデンサを交換したので、FM フロントエンドのトラッキング調整をやり直しました。
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調整後は指針と周波数ダイヤルのズレは ±0.1MHz 以内に入りました。
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パルスカウント検波部で調整ズレがありましたが、再調整で規定内に入りました。
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ステレオセパレーションや高調波歪率が大きく改善し、良い音になりました。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
70 |
62 |
dB |
| NARROW |
59 |
59 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.022 |
% |
| stereo |
0.029 |
% |
| NARROW |
mono |
0.31 |
% |
| stereo |
0.69 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-53 |
-53 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0 |
-0.06 |
dB |
| REC CAL 信号 |
WIDE |
mono |
398.4 |
Hz |
| -6.1 |
dB |
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AM 受信
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トラッキング調整ズレがあり、再調整で指針と周波数ダイヤルはほぼ合うようになりました。
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添付された AM ループアンテナで最高感度になるよう調整しました。
感度は大きく上がりました。
使ってみました
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修理&再調整が終わって
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今回の個体は大変手間のかかる厄介な故障持ちでした。
なんとか元の性能を取り戻せてホッとしました。
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到着時には復活が危ぶまれたのですが、作業後は安定度が良く非常に良い音になりました。
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あらためて KT-990 を触ったのですが、そっくりな KT-900 より作りが良いと感じました。
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デザイン
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デザインが優れた薄型チューナです。
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ダイヤルスケール部全体がイルミネーション照明されており綺麗です。
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今回は照明を LED 化したので、更に美しくなりました。
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ダイヤルスケール部には本物の強化ガラスが使われています。
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チューニングノブは直径 41mm の無垢アルミに輝きのあるスモークアルマイト処理がされており、質感があります。
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感度や音質
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FM は TRiO らしい高解像度でカチッとした高音質です。
感度も良いです。
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やはり、パルスカウント検波の音は良いです。
別格です。
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AM は高感度で S/N が高いです。
[IF BAND] を「WIDE」にすると高音がよく出ます。