HP EliteDesk 800 G1 USDT

HP EliteDesk 800 G1 USDT をゲット！

2017年8月25日、知り合いの業者から、中古の HP EliteDesk 800 G1 USDT を頂戴しました。

1. ロハだったのですが、やや問題があります。
   
   
   • HDD が抜かれているのです。 これ以外は完全に揃っています。
     
     
   • これは廃棄処分委託契約で「HDD を物理的に完全破壊したエビデンス写真が必要」だからとのことです。
     
     
2. でも ・・・
   
   
   • [Windows 7 Pro SP1 32bit] [Windows 8.1 Pro 64bit] のリカバリ DVD が付属していました。
     
     
     • HDD さえ調達して実装すれば完全復旧できるのが幸いです。
       
       
     • 私の場合、最終的に Debian Linux を入れるので Windows はどーでもイイのですが ・・・
       
       
   • 使用部品より、2016年製造と判りました。 このため、1年程度使われていますが、新品同様な綺麗さでした。
     
     
3. HP EliteDesk 800 G1 USDT について
   
   
   • 法人向けのビジネスパソコンだったので、一般には販売されていなかったモデルです。
     
     
   • USDT とは Ultra-Slim DeskTop の略です。
     
     

---

使ってみました

1. 小さくてかわいいコンパクト PC
   
   
   • 高さは 251mm とコンパクトです。 写真にある DVD/CD ドライブの大きさで全体の大きさが判ると思います。
     
     
   • 各種インタフェースは右の通りです。 普通にはこれだけあれば十分。
     
     
     • USB ポートが全部で10個あって、そのうち4個が USB3.0 に対応しています。 USB3.0 は HDD の伝送レートに近いくらい速いので、ここに接続した USB HDD からブートやメイン使いもできると思います。
       
       
     • DisplayPort が2個あります。 変換ケーブルによる HDMI や DVI 変換も容易です。
       
       
     • PS/2 ポートもありますが、今はあまり使いません。
       
       
   • 本体はコンパクトですが、外付け AC アダプタがデカイです。 AC アダプタの置き場所で苦労するかも。
     
     
   • 拡張スロットはありません。 従って、拡張性はゼロです。
     
     
2. カバーを開けて確認しましたが、内部の作りはかなり良いです。
   
   
   • カバーは背面の黒い大きなネジ1本を緩めてスライドすると開けられます。
     
     
     • しっかりとした強度のある筐体構造です。
       
       
     • [Memory] [HDD] [DVD] の交換が簡単な構造です。
       
       
   • 放熱対策は完璧
     
     
     • ファンはケース全体用が1個、CPU ヒートシンク専用が1個と放熱に考慮されています。
       
       
     • CPU のヒートシンクに ヒートパイプ が使われており強力に熱を逃がします。 実際、動作中にヒートシンクを触っても熱くないです。
       
       
   • CPU は Intel Core i3-4160 3.6GHz
     
     
     • 同じ Core i3 でも第4世代の 2core/4thread/64bit/3.6GHz です。
       
       
     • 初代 Core i3 の約2倍の処理能力があります。 初代の Core i5 よりも速いです。
       
       
   • Memory slot は2つで、1 slot に DDR3L-1600 4GB が実装されていました。
     
     
     • 私のドラえもんのポッケから全く同じ型式の DDR3L-1600 4GB が出てきたので、空いているスロットに実装しました。
       
       
     • 問題なく Dual Channel 動作しました。 メモリ 8GB なら Windows10 Pro 64bit でも普通に使うには十分です。
       
       
   • HDD は抜かれていたので、新たに2.5インチ SATA HDD を実装しました。
     
     
   • メインボード上にある、黄色の [CMOS] ボタンで CMOS クリアが簡単
     
     
     • BIOS パスワードを忘れてしまった場合は CMOS RAM をメモリクリアするとパスワードが消えます。
       
       
     • DC19.5V 端子からプラグを抜き、[CMOS] ボタンを5秒間押すとクリアできます。
       
       
   • LAN は Giga ポート ですから、インターネットサーバにピッタリです。
     
     
   • かなり小さいスピーカが内蔵されており、蚊の鳴くような弱々しいサウンドが出ます。
     
     
3. 動作チェック
   
   
   • リカバリ DVD より Windows 7 Pro/32bit をインストールしました。 ハードウェアのチェックソフトウェア代わりです。
     
     
   • Windows 7 で、全てが正常動作することを確認しました。
     
     
4. ノート PC みたいなコンパクト PC ですが ・・・
   
   
   • 内部に余裕があり、ファンも2個配置されているので、熱がこもりません。 ノート PC より格段に信頼性があります。
     
     
   • CPU はモバイル用ではなく、デスクトップ用です。 ノート PC のモバイル用より性能が良いです。
     
     

---

DisplayPort を使ってみた

1. DisplayPort があるパソコンを扱うのは初めてです。 どの程度の性能があるか使ってみたいと思いました。
   
   
2. でも、DisplayPort 端子があるモニタは持っていません。
   
   
   • そこで、アキバの CompuAce で [DisplayPort → HDMI 変換ケーブル] の [エービット AB-CVDP-HDMI] を税込898円で購入して試してみました。
     
     
   • 写真の左側が HDMI 端子、右側が DisplayPort 端子です。
     
     
   • 電源不要のパッシブ型変換ケーブルです。
     
     
3. [DisplayPort]→[AB-CVDP-HDMI]→[HDMI モニタ] と試験環境としては劣悪と思いますが ・・・
   
   
   • 表示される画面は VGA より良い画質でした。 こりゃぁ～凄い！
     
     
4. 検証実験では VGA と DisplayPort の1つを使いました。
   
   
   • VGA に主画面、DisplayPort に拡張画面の2画面が表示できました。
     
     
   • VGA コネクタを抜くと、DisplayPort の画面が自動的に主画面になりました。
     
     
   • 試してはいないのですが、DisplayPort 端子はもう1個あるので、このパソコンでは最大3画面を表示できるのかもしれません。
     
     

---

リカバリ DVD の不思議

1. リカバリ DVD のコピーを作成して、オリジナル DVD は大切に保管しておこうと思いました。
   
   
   • バックアップソフトには定番の ImgBurn を使います。
     
     
   • [ISO イメージを吸い出し] → [xxxxx.iso ファイルができる] → [xxxxx.iso を CD-R に書き込み] の手順になります。
     
     
   • [ISO イメージを吸い出し] は全ての DVD で OK でした。
     
     
   • [xxxxx.iso を CD-R に書き込み] で4枚中2枚が書き込めないのです。
     
     
     • 書き込めない理由は ISO イメージが 4.7GB より大きいためです。
       
       
2. HP EliteDesk 800 G1 USDT に以下の4枚の DVD が付属しています。
   
   
   • このうち [No.1] [No.3] の容量が異常なのです。 2,336,272セクタ (4.78GB) もある のです。
     
     
     • DVD は規格で 2,298,496セクタ (4.7GB) と決まっています。 DVD-R などにもこのセクタ数しか書き込めません。
       
       
     • 従って、[No.1] [No.3] を CD-R にバックアップコピーできないのです。
       
       
   • ちなみに [No.2] [No.4] の容量は 4.7GB より少なかったので、CD-R にバックアップコピーできました。
     
     

   No.	名称
   1	Windows 8.1 Pro 64bit for HP
   2	Windows 8.1 Driver Recovery for HP EliteDesk 700/800 G1, ProDesk 600 G1
   3	Windows 7 Pro SP1 32bit for HP
   4	Windows 7 Driver Recovery for HP EliteDesk 700/800 G1, ProDesk 600 G1

   
   
3. 仕方ないので、[No.1] [No.3] の ISO イメージを [USB メモリ 8GB] に rufus を使って書き込んでみました。
   
   
   • 出来上がった [USB メモリ 8GB] を使ってブートすると Windows7/8.1 は正常にインストールできました。
     
     
   • DVD 規格から外れる DVD-ROM が存在することを初めて知りました。
     
     
   • DVD コピーガードの一種なんでしょうかね。
     
     

---

Windows10 に無償アップグレードしてみた

1. 一般には Windows10 の無償アップグレードは 2016年7月29日 で終了しています。
   
   
   • 既に終了から1年以上 (実験したのは2017年8月26日) 過ぎています。 この状況で果たして無償アップグレードできるのか？？？
     
     
   • Windows 10 のダウンロード からアップグレードしてみると、プロダクトキー入力で弾かれてしまいました。 この方法は、既にできなくなっているようです。
     
     
2. 障碍者向け支援技術製品をご利用のお客様向け Windows 10 アップグレードについて の特例があるようだ！！！
   
   
   • 以下の条件に該当すれば Windows10 への無償アップグレードはまだできるみたい。
     
     
     • Windows10 無償アップグレードは 2016年7月29日に終了しましたが、障碍者向け支援技術製品をご利用のお客様は、引き続き無償でアップグレードしていただくことができます。
       
       
   • 「障碍者向け支援技術製品をご利用のお客様」とは何を意味するのでしょう？
     
     
     • 「障碍者向け支援技術をご利用」ではなくて「障碍者向け支援技術製品をご利用」となっています。
       
       
       • 支援技術を利用していなくても、支援技術を搭載した製品を使っていればよいと解釈できます。
         
         
     • マイクロソフトでは、前々より Windows には 障碍者支援技術を搭載している と謳っています。
       
       
       • 従って、Windows を使っているのなら、障碍者向け支援技術製品を使っていることになります。
         
         
       • 実質的に、格段の資格要件はない ・・・ と解釈できます。
         
         
     • 強いて言えば、障碍者が支援技術を使うのを拒まないパソコンなら、無償アップグレードするのは合法と言えます。
       
       
       • マイクロソフトの定義では パソコンが使いにくいと感じる世代の方 も障碍者扱いですから、敷居は低いです。
         
         
       • 例えば、老眼鏡を使っているなら、それはもう立派な障碍者です。
         
         
3. 良い子の実証実験
   
   
   • 先に記述した特例条件以外に、次の条件を満たす必要があります。
     
     
     • ハードウェアが Windows10 のスペックに合うこと。
       
       
     • 正規の Windows7 SP1 か Windows8.1 がインストールされて正常動作していること。
       
       
   • 私の場合、Windows10 Pro は 64bit 版にしたかったので、一旦 Windows8.1 Pro 64bit を事前にインストールしました。
     
     
     • Windows7 Pro のリカバリ DVD は 32bit 版なので、これをインストールしてアップグレードすると、Windows10 も 32bit 版になってしまうのです。
       
       
     • インストールした Windows8.1 でちゃんとライセンス認証されていることが確認できたら、そのまま Windows10 に無償アップグレード開始して良いです。
       
       
       • Windows Update をかける必要はありません！！！
         
         
     • 初めて Windows8.1 を触ってみましたが、UI が非常に使い辛いと思いました。 Windows10 で UI が Windows7 に戻った理由がよく判りました。
       
       
   • Windows10 へ無償アップグレードするには、 ここ をクリックして [今すぐアップグレード] ボタンを押して実行するだけです。
     
     
     • プロダクトキーの入力を求められることもなく、アッサリと Windows10 にアップグレードできました！！！
       
       
4. Windows10 はデジタルライセンス
   
   
   • Windows10 は デジタルライセンス で認証します。 PC に搭載されている CPU などのハードリソースの状態を情報化して認証します。
     
     
     • PC そのものが認証キーで、言ってみれば人間の指紋認証みたいなものです。 従来のプロダクトキーは意味を持ちません。
       
       
     • 従って、大きなハード変更 (マザーボード変更など) をすると認証が外れると言われています。
       
       
   • ここ からインストール用 ISO ファイルを入手して、これを USB メモリ (8GB) に書き込んでからクリーンインストールしてみました。
     
     
     • 「良い子の検証実験」で Windows10 のデジタルライセンスを取得してから、Windows10 をクリーンインストールしてみました。
       
       
       • クリーンインストールでは HDD の内容を全部消去するので、HDD に認証コードが記憶されていたら、それは消滅します。
         
         
       • デジタルライセンスでは PC 自身が認証キーなので、クリーンインストールしても認証されるはずです。
         
         
     • 実施してみた結果、プロダクトキーを入力しなくても Windows10 が認証済みになりました。
       
       
5. プロダクト ID とプロダクトキー
   
   
   • Keyfinder を使って、プロダクト ID とプロダクトキーを確認して表にしてみました。 一部を * の伏字にしています。
     
     
   • 比較のために Windows10 無償アップグレードを適用した Dell OptiPlex 980SFF のケースも一緒に表にしています。
     
     
   • これを見ると以下のことが判ります。
     
     
     1. Windows8.1 と Windows10 のプロダクト ID とプロダクトキーは異なった値になる。
        
        
     2. Windows10 無償アップグレードを適用したマシンのプロダクトキーは常に同じ値になる。
        
        
        • このプロダクトキーにはあまり意味がなく、デジタルライセンスが適用されているのでしょう。
          
          
        • マイクロソフトのサポートページ にもプロダクトキーが開示されているくらいですから、やはり、あまり意味がないようです。
          
          
     3. Windows10 無償アップグレードを適用したマシンのプロダクト ID はマシンよって微妙に異なる。
        
        
        • パソコンメーカの違いなのか、ダウンロード元の違いなのか、理由は不明です。
          
          

     項目	HP EliteDesk 800 G1 USDT		Dell OptiPlex 980SFF
     	Windows8.1 Pro	Windows10 Pro
     プロダクト ID	0***2-5***7-2***5-AAOEM	00330-80000-00000-AA109	00330-80000-00000-AA509
     プロダクトキー	WRKRG-RNJRV-FHT8C-PRXDY-8FFYC	VK7JG-NPHTM-C97JM-9MPGT-3V66T

     
     
6. 最後に ・・・
   
   
   • あくまでも特例条件を厳守して、それを逸脱しない良識の範囲でやりましょう。
     
     

---

仕様など

1. ドキュメント
   
   
   • HITACHI セールスパンフレット
     
     
   • HP EliteDesk 800 G1 ハードウェアリファレンスガイド
     
     
   • HP Driver Packs
     
     
2. 参考記事
   
   
   • インテル (Intel) CPU 性能比較｜ドスパラ公式通販サイト
     
     
3. 仕様
   
   

   項目	内容	備考
   CPU	Intel Core i3-4160 3.6GHz	CUI ベースサーバでは十分な性能
   Memory	SO-DIMM x2 (1スロットに 4GB 実装済) → 4GB×2=8GB Dual Channel に換装 PC3L-10600 (DDR3L-1333) / PC3-10600 (DDR3-1333) PC3L-12800 (DDR3L-1600) / PC3-12800 (DDR3-1600)	最大 8GB×2=16GB Dual Channel 対応
   HDD	2.5インチ 320GB 7,200rpm SATA III (600) → 2.5インチ 1TB 5,400rpm SATA300 に換装	抜かれているので、再実装が必要
   DVD	ROM → スーパーマルチドライブ に換装	OS インストールで使う
   LAN	1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T	Giga ポート
   VGA	1 port	最大 1,920×1,080
   DisplayPort	2 port	最大 2,560×1,600
   USB	前面： USB3.0x2, USB2.0x2 背面： USB3.0x2, USB2.0x4
   Audio	前面： Microphone, HeadPhone 背面： Line-In, Line-Out
   PS/2	KeyBoard, Mouse
   リカバリ DVD	Windows7 Pro SP1 32bit	Windows マシンとしても利用可能
   	Windows8.1 Pro 64bit
   AC アダプタ	HSTNN-LA01-E (AC100～240V / DC19.5V 6.9A)	外部電源ほうが信頼性あるかも
   その他付属品	タワースタンド	縦置きスタンド

   
   

---