TMY ORD-01

TMY ORD-01 をゲット！

2015年4月14日、ワンセグ TV/FM/AM ラジオの TMY ORD-01 を amazon で税込820円で購入しました。

テレビ番組も聴ける AM/FM 対応高感度ワンセグラジオ がキャッチフレーズです。

このサイズと定価から考えると DSP ラジオの予感がしたので、買ってみたのです。

2012年10月20日発売の製品です。 定価7,980円です。

TMY は2014年3月に倒産しました。 米国シェア2位だった大手家電ストアの RadioShack が2015年2月5日にアメリカ政府に破産申請を提出しました。 馴染みのあるメーカやショップが次々に倒産していますね。

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解剖

1. 下側にある2本の細いプラスネジを外すと右の写真のようにパカッと前後に分離できます。 右の写真をクリックすると基板の拡大写真を表示します。
   
   
   • 予想通りです。 DSP ラジオ でした。
     
     
     • IFT はありません。 コイルと言えるものは AM バーアンテナだけです。
       
       
       • バーアンテナに巻かれているリッツ線は適当にグルグル巻き付けています。
         
         
       • これでも性能的には問題ありませんが、日本製のようなキチンとした綺麗さがありません。
         
         
     • DSP ラジオには同調回路のコイルやコンデンサがないため、「無調整にできる」「経年変化 (調整ズレ) しない」特長があります。
       
       
     • TV 音声受信部は別基板になっていますが、これも DSP チューナです。
       
       
   • リチウム電池は 3.7V 650mAh です。 後側ケースの内部に粘着テープで張り付いています。
     
     
   • ロッドアンテナも後側ケースの内部に張り付いています。
     
     
     • ロッドアンテナで捉えた電波を RF 増幅してから FM 受信部および TV 受信部に導きます。
       
       
     • 前後のケースを閉じると、ロッドアンテナの根元が基板の金具に接触する構造です。
       
       
     • ロッドアンテナは短く、伸ばしても根本から 30cm しかありません。 筐体上部からは 22cm です。 アンテナとしては短過ぎです。 TV/FM 感度に影響します。
       
       
     • 筐体上部の所で折れるようになっており、かつ、360度回転することができます。
       
       
2. 右の写真は基板の LCD 側です。 右の写真をクリックすると基板の拡大写真を表示します。
   
   
   • LCD、タクトスイッチが配置されています。
     
     
   • この面にある回路はリチウムイオン電池の充電部です。
     
     
3. 基板の作りは良く、使っている部品も良いです。
   
   
   • 正方形で一番大きい LSI は MCU です。
     
     
     • 型番が削られているので特定できません。
       
       
     • 中華は他社の製品はすぐにコピーするのに、自社の製品はコピーされないようにガードするんですね。
       
       
   • 小さな基板は 1seg TV 音声受信部です。
     
     
   • 使われている主な IC は以下です。
     
     

     基板	IC	機能
     メイン基板	KTMicro KT0913	FM/AM DSP Receiver
     	CHIPOWER CE0030B	1W Fully Differential Audio Power Amplifier
     	(不明)	MCU (48P QFP)
     1seg TV 音声受信基板	RAONTECH MTV818	Low power Front-end SoC for T-DMB, DAB, FM, ISDB-T 1seg
     	Telechips TCC7920S	Digital Multimedia processor
     	MXIC MX25L3206E	32Mbit CMOS Serial Flash Memory

     
     

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使ってみました

1. デザインなど
   
   
   • デザインは中華風丸出しで、日本人の美的感覚とかなり違います。 違和感があって野暮ったいです。
     
     
   • 丸みをおびた小さい筐体で、てのひらで包み込める大きさです。
     
     
     • 63(W)×89(H)×22(D)mm, 88g です。
       
       
     • やや厚みがありますが胸ポケットに入ります。
       
       
     • 下側に小さな突起状の脚がありますが、これでちゃんと自立します
       
       
   • 充電式リチウムイオン電池を内蔵しているので、乾電池購入や実装の面倒さはありません。
     
     
     • 電池交換ができないので、電池が寿命の時が製品の寿命とも言えますが ・・・
       
       
     • 充電時間は2時間で、使用時間はラジオ15時間、テレビ音声3時間です。
       
       
   • 付属品は [AC-USB アダプタ] [充電用ケーブル (miniUSB-USB)] [取扱説明書] でオールインワンです。
     
     
     • 購入してすぐに使うことができます。
       
       
     • AC アダプタは、入力 AC100～240V / 出力 DC5V 1A です。 世界中で使えます。 単なる USB 電源なので、他の用途 (携帯電話の充電など) に流用できます。
       
       
2. 機能＆操作
   
   
   • [FM/AM/TV] ボタンで受信バンドを切り換えます。
     
     
     • このボタンにはもう１つの機能があり、[FM/AM/TV] ボタンを長押しすると他のボタン操作をロックします。
       
       
     • ロック解除するには、再び [FM/AM/TV] ボタンを長押しします。
       
       
   • [チャンネル+] [チャンネル-] ボタンによるプリセット受信しかできません
     
     
     • 周波数を任意に設定できるマニュアル受信機能がありません。
       
       
       • 世の中の常識を覆す仰天ラジオです。
         
         
       • プリセット受信できるがマニュアル受信できないラジオは初めてです。 マニュアル受信できるがプリセット受信できないラジオのほうが普通です。
         
         
     • ラジオを初めて使うには、まずオートスキャン＆プリセットを実行する必要があります。
       
       
       • [自動選局] ボタンを長押しすると、オートスキャン＆プリセットを実行し、放送局が見つかるとそれをプリセット記憶します。
         
         
       • オートスキャンは周波数が低いから高い方向のみです。
         
         
       • プリセットメモリ数は不明ですが、未だに上限になったことがありません。
         
         
     • この仕様は一見便利そうに思えますが、以下の大きな欠点があります。
       
       
       • 雑音のレベルが高い周波数を放送局と間違ってプリセットしてしまいます。
         
         
       • プリセットメモリ編集機能がないので、不要な雑音だけのプリセットを単独に消去することができません。
         
         
       • 電波レベルが弱いがどうしても聴きたい遠距離の放送局を（マニュアル受信がないので）受信することができません。
         
         
   • [音量+] [音量-] ボタンで音量調節します
     
     
     • 0～6 の7段階調節ができます。 そんなに大きな音は出ないです。
       
       
     • FM/AM と TV の音量記憶メモリは独立しており、バンド切替すると音量も切り替わります。
       
       
   • TV 受信している時に [音声切換] ボタンを押すと音声を切り換えできます。
     
     
     • 押すごとに [主]→[副]→[主 副] の表示を繰り返し、主音声と副音声を切り換えます。
       
       
   • 受信チャンネルまたは周波数は [FM 76～90MHz] [AM 513～1638kHz] [TV 13～62ch (470～770MHz)] です。
     
     
     • 取扱説明書には AM 525～1630kHz となっていますが、実際の受信範囲は若干広いです。
       
       
       • 取扱説明書が間違っています。 AM は 9kHz step なので、9の倍数でない 525 とか 1630 になるはずがありません。
         
         
     • TV では LCD に画像は出ないです。 テレビ放送の音声が聴けるだけです。
       
       
   • イヤホンがアンテナになるような回路とはなっておらず、TV/FM は短いロッドアンテナだけなので、感度的に不利です。
     
     
3. 接続端子
   
   
   • イヤホン用φ3.5mmステレオミニジャック
     
     
     • イヤホン音量はやや小さいです。
       
       
     • ステレオイヤホンを使えますが、出てくる音はモノラルです。 DSP ラジオ IC の [KT0913] はステレオ受信可能ですが、AF アンプがモノラルになっているためです。
       
       
   • 充電用 miniUSB 端子
     
     
     • DC5V 500mA あれば充電できます。 従って、パソコンの USB でも充電できます。
       
       
4. 評価
   
   
   • 良いところ
     
     
     • DSP ラジオなので FM 受信感度が良いです。 本来の感度が良いので、短いロッドアンテナに若干のワイヤを継ぎ足せばよいです。
       
       
     • 乾電池不要なので経済的です。 これも内蔵の充電池が寿命になるまでですが。
       
       
   • 悪いところ
     
     
     • 電源スイッチが小さく固く、爪を立てないと操作できず、イマイチです。
       
       
     • ロッドアンテナが短すぎるので、せっかくの FM 高感度が活かしきれていません。
       
       
     • プリセット受信しかできないので、受信周波数の自由度が制限されます。
       
       
   • 音質
     
     
     • いわゆるラジオ音質です。 高音も低音もスパッと切れている感じです。 ラジオとしては十分です。
       
       
   • 総合評価
     
     
     • FM 受信に価値があります。 AM 受信も問題ありません。 TV 音声受信も意外とマトモです。
       
       
     • DSP ラジオが千円以下なので、操作性に我慢できれば買い！です。
       
       

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仕様その他

1. AV Watch 記事
   
   
2. 仕様は以下です。
   
   
   
   

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