Marantz ST6000 (2号機) が到着
2024年2月4日、埼玉県熊谷市の K さんから Marantz ST6000 の修理依頼品が到着しました。
今や黄昏の AM Stereo 対応チューナです。
程度&動作チェック
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修理依頼者のコメント
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中古で購入した物ですが、周波数ズレと感度低下でステレオ受信が出来ない状態になってしまいました。
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購入時から周波数が下の方にズレていて、放送の周波数ではステレオにならないためズラして受信していました。
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FM 感度が大幅に低下しています。
購入当初は S メータが 55dB 程度ありましたが、現在では 17dB 程度になっています。
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AM は聴きませんので AM の調整は不要です
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外観
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製造シリアル番号は [MZ000441001956] で、製造年シールより [2004年製造品] とわかりました。
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[純正 AM ループアンテナ] の添付はありませんでした。
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全体的には綺麗です。
フロントパネルにはほぼキズがありません。
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リアパネルの端子類には白いサビが薄く出ていますが、使用には問題なさそうです。
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天板にこの上に乗せていたであろう機器の足形があります。
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電源 ON してチェック
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電源は問題なく入り、ディスプレイの輝度は十分で、各ボタン操作も正常です。
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FM 受信
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-0.05MHz の周波数ズレがあります。
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80MHz の放送が 80.00MHz では [STEREO] 表示せず、79.95MHz で [STEREO] 表示します。
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修理依頼者のいう「大幅な感度低下」は確認できません。
問題ない程度に S メータ数値 (dB) が表示されます。
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AM 受信
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[純正 AM ループアンテナ] が添付されなかったので、手持ちのループアンテナを接続してチェックしました。
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特に問題なく受信できました。
ただし、純正ループアンテナでないためか感度はあまり良くないです。
リペア
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FM で周波数ズレがある
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後述の再調整で直りました。
クォードラチュア検波の同調点調整ズレでした。
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FM で感度低下している
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特に感度落ちはしていなかったのですが、再調整で少し感度が上がっています。
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再調整済みの本機でも、修理依頼者宅で S メータのレベルが低いのであれば、アンテナ系統の配線等をチェックしたほうがよいです。
再調整
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電圧チェックポイント (VP)
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実測値は以下のように良好でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
| J226 (15V) |
+15V |
+15.0V |
〇 |
| J227 (5.6V) |
+5.6V |
+5.67V |
〇 |
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FM/AM 受信部の調整
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調整結果
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FM 受信部
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FM フロントエンドでトラッキング調整ズレしていました。
再調整で少し感度が上がりました。
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同調点調整が大きくズレていました。
再調整で規定値に戻りました。
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再調整により、ステレオセパレーションと高調波歪率が大きく改善し、優れた音質になりました。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
51 |
49 |
dB |
| NARROW |
48 |
47 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.036 |
% |
| stereo |
0.036 |
% |
| NARROW |
mono |
0.047 |
% |
| stereo |
0.11 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-75 |
-74 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (MONO) |
WIDE |
mono |
0 |
-0.14 |
dB |
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AM 受信部
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AM は聴かないので調整しなくてよいとのことでしたが、一応調整しました。
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[純正 AM ループアンテナ] の添付がなかったので、SONY ST-SA5ES のループアンテナで調整しました。
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AM は2個ある IFT の両方とも大きく調整ズレしていました。
再調整で感度アップしました。
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ニッポン放送 (1242kHz) では [STEREO] 表示が出てソフトなステレオ音で受信できるようになりました。
使ってみました
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デザイン
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フロントパネルは分厚いシャンパンゴールドのアルミ材で豪華です。
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[DISPLAY] ボタンを押すと電波レベルを dB 表示するのがよいです。
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あまり正確ではありませんが、測定器のような精密さを感じます。
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プリセットメモリは FM/AM それぞれ30局分あります。
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FM アンテナ入力は F 端子なので妨害電波を拾いにくいです。
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FM の受信性能&音質
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このクラスとしてはキチンと製作されており、感度や妨害波排除能力は良いです。
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音はクォードラチュア検波特有の柔らかさの中にも解像度を感じる音質です。
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AM の受信性能&音質
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感度は普通です。
それほど良くはないです。
AM にしては音が良いと感じます。
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越谷ではニッポン放送 (1242kHz) がステレオで受信できました。