Batocera.linux (その1:インストール)
レトロゲーム専用 Batocera.linux
2024年12月6日、巷の最先端ピープルの間で
Batocera.linux
(バトセラ・リナックス) が流行っているらしい。
時代の波に乗り遅れないよう、まずは [Batocera.linux] なるものをインストールして評価してみました。
筆者は [Windows] [Linux] 両刀使いなのでピッタリかも?
ここで掲載したキャプチャ画像は激安の
AE USB3.0 Video Capture
でスクリーンショットしたものです。
概要
[Batocera.linux] とは?
Batocera.linux
はゲーム機をエミュレーションするのに特化した Linux ディストリビューションの1つです。
ランチャーに
EmulationStation
を使うフロントエンドです。
[EmulationStation] とは [ゲーム機エミュレータ] を取りまとめるフロントエンドです。
特長
[SD カード] [USB メモリ] [SATA HDD] などにインストールでき、そこからブートできます。
すなわち、ノート PC に内蔵されている SSD や HDD には全くアクセスしないので安心です。
お仕事パソコンがゲームパソコンに変身するので、お仕事とゲーム遊びが両立します。
ハード構成
ハード機材について
今回のために買い揃えた機材ではなく手持ちのありあわせの機材です。
皆さんも古くなって使わなくなった(性能的に使えなくなった)PC などがあったらやってみたら・・・
ゲームで遊べるし、SDGs にも貢献できますよ!
PC
PC には左の写真の超コンパクトな
Dell OptiPlex 3020M
を使います。
性能的には [Intel Core i5-4590T (4 core, 6MB, 2.00GHz/3.30GHz)] [Memory 8GB] とゲームには十分過ぎかも。
今まで、Windows11 に対応できないので Linux を入れて遊んでいました。
ゲーム機として USB ブートさせるので、使わない 内蔵 HDD は取り外しました。
使わないのに回転して電気代が勿体ない。
この PC には DP 端子はありますが HDMI 端子がないので右の写真の DP→HDMI 変換ケーブルを使います。
テレビは HDMI 端子ですものね。 ところで、DP 端子って今でも使われているのかしら?
USB HDD
USB HDD には2.5インチ HDD を使いました。 USB のバスパワーで電源供給できるのでお手軽です。
左の写真は HDD ケースで、USB Type-C 端子となっていて使いやすいです。
ネジ不要で組み立てできるスグレモノです。
右の写真はケースに入れた [HGST Z5K500-320] という 320GB 2.5インチ HDD です。
別の PC で Batocera.linux 起動用 USB HDD 作成
Batocera.linux のディスクイメージを
Batocera.linux
サイトからダウンロード
ダウンロードしたのは [batocera-x86_64-40-20240801.img.gz] です。
サイトが混雑しているのか、3.4GB ダウンロードするのに2時間もかかりました。
[batocera-x86_64-40-20240801.img.gz] を解凍して [batocera-x86_64-40-20240801.img] を取り出す
解凍は Windows11 の標準機能でできます。
取り出した [batocera-x86_64-40-20240801.img] は 8.9GB になりました。
USB HDD の初期化
USB HDD にディスクイメージを書き込む前に初期化 (新品購入時と同じ状態) する必要があります。
[Windows ツール] にある [コンピューターの管理] から [ディスクの管理] を呼び出して作業します。
USB HDD にある全部の [ボリュームの削除] をして下のような状態にします。
ここに新しいシンプルボリュームを作成しますが、下の画面で [このボリュームをフォーマットしない] を選択します。
完了すると下のような状態になり、ここでの作業は完了です。 新品購入時と同じ状態です。
Win32DiskImager
アプリを使って USB HDD に [batocera-x86_64-40-20240801.img] を書き込む
9GB 程度なので数分で終わります。 下のような単一パーティションの [BATOCERA] ボリュームができました。
USB HDD からブート
ゲーム専用 PC に USB HDD を接続して電源 ON すると以下の警告が一瞬出ました
[Hard Drive] [Keyboard] が無いよ!どうするかファンクションキーで選べ!というメッセージです。
キーボードがつながっていないのにどうやってファンクションキーを押せばよいのだろう???
内蔵 HDD は取り外しているし、ゲーム機なのでキーボードはつながないし、この通りです。 無視して放置でよいです。
すぐにパーティションを調整している画面が出ました
この作業中画面は1回目のブートの時に出るだけで、2回目以降は出ません。 100% になれば完了です。
具体的にはいったい何をしているのだろう???
しばらくして [BATOCERA] のタイトル画面が出ました。
またしばらくしてチワチワとしたプロモーション映像が出ました。 一番下の数字は [BATOCERA] のバージョンです。
とうとう完全に立ち上がり、トップ画面が出ました
サンプルと思われるゲームが13本入っており、すぐにゲームを楽しめる状態でした。 あっけないです。
ゲームパッドで (エミュレートされた) ゲームマシンを選んでクラス画面を出し、そこから遊びたいゲームを選択します。
この13本のゲームで満足できるかたなら、これで全て完了です。
若干の設定変更
表示文字を日本語化
トップ画面でゲームパッドの [START] ボタンを押すと [MAIN MENU] 画面が出ます。
そして、ここから [SYSTEM SETTINGS] 画面を呼び出して設定します。
[LANGUAGE (REGION) = JAPANESE]、[TIME ZONE = ASIA/TOKYO] に設定します。
一旦、[SYSTEM SETTINGS] 画面を出て再度入り直すと、下の画面のように日本語化されています。
例えば、[SYSTEM SETTINGS]→[システム設定] などと変わっています。
音声出力を HDMI に変更
デフォールトでは PC のオーディオ端子(または PC 内蔵スピーカ)から音が出ています。
普段使っているパソコンで使う場合はこれでよいのですが、筆者はテレビから音を出したいと思いました。
[システム設定]→[音声出力] と辿って出る下の画面で [BUILT-INAUDIO DIGITAL STEREO (HDMI)] を選択します。
すると HDMI に音が出るようになります。 すなわち、テレビのスピーカから音が出るようになります。
なお、この設定変更をするとデフォールトの音量は 40% と小さくなっています。
トップ画面から [START ボタン]→[メインメニュー]→[音声設定]→[メイン音量] を最大の 100% にします。
音量はテレビのほうで調節できるので最大でよいです。
あと、ほぼ必須の設定
[メインメニュー] にある [コントローラー&BLUETOOTH 設定] [ネットワーク設定] はほぼ必須の設定です。
デフォールトで入っているゲームで遊んでみた
SUPER NINTENDO (日本ではスーパーファミコン) クラスにサンプルで入っているゲーム
ここには [Classic Kong] ゲームが入っていました。
Classic Kong
マリオさんとピーチ姫が登場するドンキーコングそのものでした。
再度、USB HDD のパーティション設定を覗く
概要
ここまでで [Batocera.linux] が正常に立ち上がりました。
でも、初回立ち上げ時のみ出る作業画面で HDD USB がどうパーティション変更されたのか気になります。
Windows11 の [ディスクの管理] で見ました
下のように、[最初の 8GB は FAT32 でフォーマット] されたパーティションになっています。
以降は [Linux の EXT4 でフォーマット] されたパーティションになっていました。
おそらく、FAT32 のほうに Batocera.linux のシステム、EXT4 のほうにゲームの ROM データや設定情報が入っているのでしょう。
出来上がったゲーム PC のシステム情報
システムソフトやハードウェアの状態を確認
トップ画面で [START ボタン]→[メインメニュー]→[システム設定]→[情報] と辿ると下の画面が出ます。
下の画面はシステム情報の最初の部分です。 スクロールするとズラズラと多くの情報が見られます。
コメント
USB HDD の EXT4 パーティションは 284.47GB あるのに、サンプルゲームでは 159MB しか使っていません。
まだまだゲーム ROM データを入れられます。
Linux のカーネルバージョンは 6.9.10 と最新版です。 CPU やメモリなどが正しく認識されています。
悩みは続く・・・
ROM データが入っているのが EXT4 パーティションだと面倒
Windows11 は EXT4 フォーマットをアクセスできないのです。
こうなると、ROM データの入れ換えや追加は Windows11 から直接できないことになります。
SAMBA さん経由しかアクセスできず、SAMBA さんは結構遅いのです。
困った!
さてさて、どうしよう ・・・
次回に続く
ドキュメントなど
ドキュメント
公式 Batocera ドキュメント
BATOCERA - emu Wiki*
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