Accuphase T-100

Accuphase T-100 をゲット!

2012年1月1日、 Accuphase T-100 のジャンク品を5,250円で入手しました。

Kensonic 社(現 Accuphase 社)が1973年9月に発売した、同社 AM/FM ステレオチューナの1号機です。 同社の記念的モデルで御歳39歳になります。

発売時の定価は135,000円でその6ヶ月後の1974年3月に155,000円に値上げされました。

[Accuphase の記念的1号モデル] [値段が手頃] [修理する楽しみがある] と三拍子揃っています ・・・ 福袋です。新春から縁起が良い。

程度の記載は以下です。

  1. アキュフェーズの初代チューナでマッキントッシュを手本に作られていると思える名機 T-100 です。 国産機にしては贅沢な内容です。

  2. 内部のコンデンサは交換しています。

  3. 電源は入りますが、うまく受信できないのでジャンクです。 自分で修理してでも使いたい方向けです。



程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 放送局機器のような素晴らしい作りです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. ブロック図





修理

  1. 調査

  2. 修理



調整

写真の FM stereo / AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)と 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。

チューナは10年も経つとコイルやトリマーはズレます。

  1. 以下の図は FM/AM フロントエンドの調整ポイントです。



  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 T-100 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - SELECTOR:FM MONO
    FM MUTING:OFF
    MPX FILTER:OFF
    - -  
    2 10.7MHz 60~80dB
    変調 : OFF
    1PF を介して SSG 出力を
    [FrontEnd]
    TP1 (Q14-G1) に注入
    [FrontEnd]
    T11 上下コア
    MULTIPATH V 端子電圧 = 最大 IF 調整
     下コア:1st
     上コア:2nd
    3 10.7MHz 60~80dB
    変調 : OFF
    1PF を介して SSG 出力を
    [FrontEnd]
    TP1 (Q14-G1) に注入
    [FM IF]
    L9 上コア
    T メータ = 中点 検波調整
     下コア:1st
     上コア:2nd
    4 83MHz 90dB
    変調 : MONO 400Hz 100%
    83MHz 受信 [FM IF]
    L9 下コア
    固定オーディオ出力 = 最大 検波調整
     下コア:1st
     上コア:2nd
    5 83MHz 90dB
    変調 : MONO 400Hz 100%
    83MHz 受信 [MPX]
    VR1
    固定オーディオ出力 = 2.0V 固定オーディオ出力調整
    6 76MHz 60dB
    変調 : MONO 400Hz 100%
    76MHz 受信 [FrontEnd]
    L15
    T メータ = 中点  
    7 90MHz 60dB
    変調 : MONO 400Hz 100%
    90MHz 受信 [FrontEnd]
    TCF5
    T メータ = 中点  
    8 - - - - 手順6と7を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    9 76MHz 30dB
    変調 : MONO 400Hz 100%
    76MHz 受信 [FrontEnd]
    L11
    L12
    L13
    L14
    MULTIPATH V 端子電圧 = 最大  
    10 90MHz 30dB
    変調 : MONO 400Hz 100%
    90MHz 受信 [FrontEnd]
    TCF1
    TCF2
    TCF3
    TCF4
    MULTIPATH V 端子電圧 = 最大  
    11 - - - - 手順9と10を数回繰り返す RF トラッキング調整
    12 83MHz 90dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信 [FM IF]
    VR2
    S メータ = レベル5 S メータ調整
    13 83MHz 20dB
    変調 : MONO 400Hz 30%
    83MHz 受信
    FM MUTING:1
    [FM IF]
    VR1
    MUTING が
    ちょうど ON になるよう調整
    ミューティングレベル調整
    14 83MHz 90dB
    変調 : STEREO 1kHz L-R
    83MHz 受信
    SELECTOR:FM AUTO
    [MPX]
    VR2
    固定オーディオ出力 = 最大 MPX 調整
    15 83MHz 90dB
    変調 : R/L ch. only 1kHz
    83MHz 受信 [シャーシ]
    VR3
    L/R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 セパレーション調整

  3. AM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 T-100 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - SELECTOR:AM DIST
    AM LEVEL:MAX
    - -  
    2 455kHz 60~80dB
    変調 : 400Hz 30%
    SSG 出力を 100PF を介して
    [FrontEnd]
    TP51 に注入
    [FrontEnd]
    T53 上下コア
    [AM IF]
    T1 上下コア
    T2 上下コア
    オーディオ出力 = 最大 IF 調整
     下コア:1st
     上コア:2nd
    3 1000kHz 80dB
    変調 : OFF
    1000kHz 受信 [AM IF]
    T3 上下コア
    [AM IF]
    TP53 (AM IF 9pin) 電圧
     = 最大 (-0.5V以上)
    AGC 調整
     下コア:1st
     上コア:2nd
    4 600kHz 80dB
    変調 : 400Hz 30%
    600kHz 受信 [FrontEnd]
    T52
    オーディオ出力 = 最大  
    5 1400kHz 80dB
    変調 : 400Hz 30%
    1400kHz 受信 [FrontEnd]
    TCA3
    オーディオ出力 = 最大  
    6 - - - - 手順4と5を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    7 600kHz 30dB
    変調 : 400Hz 30%
    600kHz 受信 バーアンテナ
    [FrontEnd]
    T51
    オーディオ出力 = 最大  
    8 1400kHz 30dB
    変調 : 400Hz 30%
    1400kHz 受信 [FrontEnd]
    TCA1
    TCA2
    オーディオ出力 = 最大  
    9 - - - - 手順7と8を数回繰り返す RF トラッキング調整
    10 1000kHz 60dB
    変調 : 400Hz 30%
    1000kHz 受信 [AM IF]
    VR1
    オーディオ出力 = 0.6V オーディオ出力調整
    11 1000kHz 90dB
    変調 : OFF
    1000kHz 受信 [AM IF]
    VR2
    S メータ = レベル5 S メータ調整

  4. 調整結果

    項目 L R 単位
    ステレオセパレーション 50 52 dB
    パイロット信号キャリアリーク -80 -81 dB
    オーディオ出力レベル偏差 (MONO) 0 -0.06 dB



使ってみました

  1. デザインに気品がある!

  2. 機能関連

  3. 性能・音質は優秀



仕様その他

  1. カタログ

  2. Owner's Manual

  3. Service Manual

  4. 仕様は以下です。

    FM モノラル特性  
    受信周波数範囲 76~90MHz
    アンテナ入力インピーダンス バランス:300Ω
    アンバランス:75Ω
    感度 (300Ω) S/N 40dB:2.0uV
    S/N 50dB:4.5uV
    IHF感度:2.0uV
    飽和点 S/N (200uV) 75dB
    飽和点高調波歪率 (50uV) 100Hz:0.1% 以下
    1kHz:0.1% 以下
    10kHz:0.1% 以下
    オーディオ IM 歪率 (70Hz:7kHz=4:1) 0.2% 以下 (アンテナ入力 1mV、100% 変調)
    周波数特性 20Hz~15kHz +0 -1dB
    2信号選択度 (IHF) 70dB
    キャプチャーレシオ 1.5dB
    イメージ妨害比 100dB
    IF 妨害比 100dB
    スプリアス妨害比 100dB
    AM 抑圧比 (1mV) 60dB
    周波数安定度 ±30kHz
    周波数確度 ±0.1% 以内
    出力電圧 (100%変調) 2.0V
    FM ステレオ特性  
    感度 (300Ω) S/N 40dB:20uV
    S/N 50dB:45uV
    飽和点高調波歪率 (500uV) 100Hz:0.2% 以下
    1kHz:0.2% 以下
    10kHz:0.5% 以下
    周波数特性 20Hz~15kHz +0 -1dB
    ステレオ分離度 100Hz:35dB
    1kHz:45dB
    10kHz:30dB
    ステレオ切替入力電圧 5uV, 20uV (ミューティング・スイッチと連動切替)
    SCA 妨害比 60dB
    19kHz, 38kHz 漏洩 -70dB
    AM 受信部  
    感度 Distance:15uV
    Local:150uV
    S/N (1mV、1kHz、30% 変調) 50dB
    高調波歪率 (1mV、1kHz、30% 変調) 0.5% 以下
    選択度特性 (±10kHz) 30dB
    イメージ妨害比 70dB
    IF 妨害比 60dB
    10kHz ホイッスル・フィルタ -30dB
    出力電圧 (30%変調) 0.6V
    総合  
    出力インピーダンス 固定出力端子:200Ω
    可変出力端子:2.5kΩ
    メータ 3個
    ①信号強度
    ②チューニング
    ③マルチパス
    使用バリコン FM:周波数直線型精密5連
    AM:精密3連
    使用半導体 7FET, 45Tr, 9IC, 43D
    電源 AC100V/117V/220V/240V, 50/60Hz
    消費電力 26W
    外形寸法 445(W)×152(H)×355(D)mm
    重量 14kg
    その他  
    発売時期 1973年9月
    定価 135,000円 (1973年9月)
    155,000円 (1974年3月)